#心理学

投射された表象はどうやって世界に位置づくのか

頭の中がプロジェクションについて一杯になっている。既に出会っていたような気もする。忘れているだけなのかもしれない。ふと思い出したのが古今集仮名序。 古今伝授と国ゆずり( 古今集仮名序にみることばのちから)モノが語るというのはプロジェクション…

プロジェクション・サイエンス

孫が「おじいちゃんもっと遊ぼう」と言う。二日間遊んで遊びまくった。 前に書いた「金属は冷たいと感じるのはなぜか」の脳科学的な説明と出会った。ユーチューブの紹介に投影されたビデオを見ていたら面白いと感じた。 例えば、目の前のリンゴは単なる物体…

金属が冷たく感じるわけ

ずいぶん暖かくなってきたがまだ朝は寒い。ストーブの薪も残りわずか。朝はストーブを焚く。焚いているとストーブの表面は200度ぐらいになる。薪を入れないとどんどん下がる。どこまで下がるのか気になってしまった。 というのは、朝ストーブに触ると冷た…

「べてるの家」と「当事者研究」

トイレの床に水(小便)がたれていて大騒ぎになったけど、覚えがない。 2月のわくわく図書館があった。『コモンの「自治」論』の第五章「精神医療とその周辺から自治を考える」 参加者は8名。この章は、精神医療(治療環境)そのものを治療するという視点…

「人間の精神」と「自然の真理」

パースは「人間の精神」と「自然の真理」の親近性についても述べている。 「人間の精神」と「自然の真理」には不断の相互作用がある「人間の精神」は「自然の諸法則」に適応していく「人間の精神」は「自然の諸法則」によって形成され発展してたきたものだか…

「自由」と「公平」の原点

ローティの100分deを読んでいたら気になることがあった。それは、「私」と「公」の問題。例えば米国では自由と公共が対立することがある。小さな政府は自由を求める人たち、公共を大事にする人たちは政府の仕事は必然的に大きくなる。これは私と公の対…

ヘレン・ケラーの覚り

「アブダクション」というのは、ブレイクスルーの発明や発見をした偉大な科学者のやってきた推論だと思っていたら、そうではなく人間誰でもがしている推論だというのがだんだんわかってきた。(対称性バイアス・類似性の発見・知識の過剰一般化など)そして…

赤ちゃんはアブダクション推論をしながら「学習の仕方」自体も学習している

「対蹠人のたとえ」は相手に伝える置き換えの法則さえわかっていればクオリアを感じているかどうかは問題ないということだった。それは確かだが、クオリアを伝えるにはどうしたら良いんだろうか。それにしても伊集院さんの置き換え(たとえ)はいつも見事だ…

「錯視」を扱った授業化

①何が見えますか? 口々に「階段」②どんな階段? 左に上がっている。③そう見えた人?・・・間違いないね。でも、「違う」という人はいる? 天井についている段に見える。④そう見える? 見えないよ。・・この壁をこっち側に持ってくるんだ。・えっ? ・・じゃ…

「偶然性・アイロニー・連帯」ローティ

全く眠れない。 今までは100分de名著の番組を見てからテキストを読んでいた。ところが何気なしに買ったこの本は番組が始まる前に読んでしまった。こんなことは初めて。 面白い。なぜか。自分の経歴そのものだからだ。だいたいこのローティという人をこ…

「我執」と「法執」

最近娘に勧められてヨガをやっている。これが一種の禅であり、身体の方を整えることで、とても気持ちが良い。身体を整えると心も整うのだと思う。 多川俊映師の『唯識 心の深層を探る』を読んでいる。読んでいると真宗のベースは唯識にあると感じる。例えば…

「映画を早送りで観る人たち」

この頃よく図書館で本を借りるようになった。その一冊に「映画を早送りで観る人たち」稲田豊史著がある。 この本によると、映画や動画を早送りで再生して見る人がいる。若い人だと50パーセントを越えるらしい。実は私もやっている。今までのビデオだと早送…

煩悩についての心理学

午前中セミナーの全体レポート分析に参加。午後は八幡へ行って予約しておいた「深い河」を図書館で受け取った。ついでに子ども向け福引図書を借りた。 これまで心理的バイアスが煩悩と結びつき、その自覚が大切であり、それが凡夫の自覚であるということを述…

100分de宗教論

二日は忙しくて見えなかったので、NHK+で見た。(9日までは大丈夫)1.5倍速ではなく、等速でしかも二回見た。二回目はメモを取りながら。(止めてメモしていたから何回も)メモはA47枚。 宗教から見た日本の近代化の歴史私たちにとって宗教とは何か 近代…

「じょうぶな頭」とは

正月はいつもの通り忙しかった。ホッと一息ついた三日に教え子の同窓会があった。懐かしい同僚とも会っていろいろな話が聞けた。 本当は話を聞かなければならないのに、自分が話す方が多かったことを反省している。語ったことの中に「かしこい体とじょうぶな…

「凡夫の自覚」と「自己肯定感」

屋根から落ちてきた雪を除雪機でよける。雨戸を持ってきて雪囲いをする。 数日前に心理学と仏教のことを書いた。 昔から「そのまんまのおたすけ」と「煩悩具足の凡夫の自覚」について考えてきた。このことについて心理学からはどう見えるのだろうか。ユーチ…

煩悩具足の凡夫と行動心理学

昨日は雪が降った。今年最後のわくわく図書館。ヘネシーならぬビールを飲みながら話し合った。 さて、煩悩具足の煩悩と心理学のバイアスについてバイアスとは癖や思い込み。「人間の様々なバイアスは煩悩と言っても良いのか」という考察をしてみたい。 行動…

否定の中に肯定をつかむ

外は雪が降っている。 「この囚われから脱出するには、まず無力感を感じた時に、この前提が間違っていたことに気がつくこと。そして、「弱い自己」を認めること。」 と書いたけど、これは自己否定であり、人は無意識のうちに自分を守ろうとするから、とても…

孤独っっと

一人で生活していることが何てさみしいことなのか。 母がいた時は張り合いがあった。寝る時、起きた時にいつも布団が動いているか注視していた。それすらも懐かしい。 母の世話をしていたのではなく、助けられていたのだと感じる。電話がかかってくるだけで…

幸せホルモン

孫が具合が悪く保育園を休むのですべての行事をキャンセルして守に行った。 思ったより元気でまずは安心したが、咳が何度も出る。念のためにマスクをして抱きしめた。この頃孫の方から抱きついてくるのが嬉しい。孫を抱くととても幸せな気持ちになる。孫が可…

BBから因果関係へ

ブラックボックスから因果関係へという図式を作ってみた。 原因と結果をつなぐものがBBである。 このモデルを使って「因果関係」を探ってみよう。この「社会」の中に因果関係を見つけようとするのが人間の性である。このモデルでいうと、入力が決まれば出…

行動と経験

「科学」と「生活」の違いは何だろう。科学の威力は生活を変えている。でも科学ですべてが説明できるわけではない。念仏者として科学をすべて肯定できるわけでもない。それに例の「絶対世界の有様を語る神秘的な狂信主義」もある。ヴァレラはこれを「行動と…

行為によって機構が産出される

書くという行為によって「理解」が産出される。私にとって、書くことが考えることであり、思考を産出していることであり、「理解」も産出している。 認知が所与の心による所与の世界の表象ではなく、むしろ世界の存在体が演じる様々な行為の歴史に基づいて世…

母の世界(意味の場)と私の世界(意味の場)

わけがわからないからいろいろ考えている。 母が何にも出来んようになったと嘆く。歩けるやないか、トイレにも行けるやないか、新聞もテレビも見えるやないか。外で花の世話が出来んようになったのが悔しい。やろうと思えばできるで。やる気が起こらんのや。…

感情のはたらきとAI

私は考える時、紙に色々書いてみる。ボールペンが思考しているように。最初は支離滅裂だが、だんだんと方向が見えてくるのがこのスキルの良い所。ところが、時々だけどボールペンを持って字が書けない時がある。手がしびれているのだ。思考が止まってしまう…

私の回り道

最後の授業岐生研理論学習会。 久しぶりに一時間半ほど喋りまくった。自分の人生を語るように。まさに回り道の人生だった。 その回り道とはどういいう意味があるのか。「私たちの知恵は回り道として顕れる」ということ。その講座のパワーポイントのレジメ。 …

ケアとは非暴力を学ぶ実践

母の世話をしていて感じていることを見事に表現した言葉に出会った。 人は弱者として生まれ、弱者として死んでいきます。強者である期間は、人生のあいだで一時のことにすぎません。弱者に強者になれと要求したり、強者に抵抗することを要求したりできるでし…

大雪 義時の死の原因

50㎝は越えた。大雪である。朝の雪かきだけで2時間かかった。除雪機はフル活動。八幡と高鷲を往復。 「鎌倉殿の13人」の最終回を見た。13人の意味が分かった。義時の死に政子も関わっていた。 こんなたとえ話がある。 夫に椅子を振り上げてぶつけて大…

心の遭難

100分で名著で「中井久夫さん」を取り上げている。 私の持っている本は中井さんの翻訳した『心的外傷と回復』 。以前から注目していたが、今年の夏に亡くなった。斉藤環さんは「ケアの思想」の先鞭者だと言われていた。 中井さんは喩えの名人で、登山の喩…

「最高の知」とは?

ただし「人間にとっての」という条件が付く。この問題は「知・情・意」から出てきたもので、知には知識だけでなく、分析力、総合力、暗黙知や身体知なども含む。もう一つ関連があるのが、「無知、不実、無力な凡夫」という自覚には自己肯定感が無いのでない…