2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

桜とヒヨドリと河口慧海

桜の花が満開。 近づくととてもいい匂いがする。 その匂いにひきつけられたのか、ヒヨドリが花をつついている。 蜜を飲んでいるのだろうか? 桜前線は大垣まで来たらしい。 夕べから、河口慧海「チベット旅行記」を青空文庫で読み始めた。 これがとても面白…

七里恒順と清沢満之

私はお東の清沢満之に対して、お西の七里恒順をよくとりあげる。 同時代ということだけではなく、とても対称的だということがその理由だ。 そして、日本の近代化の一つの面を二人を通して見ることができるのではないかと思っている。 その七里師の言葉を以前…

日本の近代化と仏教

日本の近代化の中で仏教の果たした役割を考えるために、 清沢満之と七里恒順を対比させることを始めた。 これがとても面白い。 特に七里師のとらえなおしは、 近代批判をする上で、次の方向を、近代以前に戻すのか、近代に適合するのか、近代を乗り越えるの…

桜の開花と月

サクランボができる桜は一足先に開花する。 月が上ってきていた。 お斎で聞いた話 四万十川には沈下橋がある。 自然と共調して生きていく素晴らしい知恵だと思っていた。 その橋を造った方の年忌法要だった。 沈下橋は昔からあったわけではない。 それを、自…

福寿草とアニミズム

おふくろが畑の雪を除いてほしいと言ったので、 除雪機で谷に雪を放り込んだ。 しかし、雪があまりにも多いので、すぐに谷がつまり、思うようにできない。 否が応でもやがて融けるのだから、よけいな行為であると思いながらついやってしまった。 雪が融けた…

「神秘的な合理主義」批判

人は不思議なことに遭遇したときに、神秘主義に走る。 説明できないことを神秘なことや崇高もののはたらきに棚上げするのである。 そういう態度を神秘主義という。 さらに、一見合理主義や科学的な態度をとりながら、まだわからないところを神秘主義でごまか…

学習を持った計画と体解

ベイトソンのエデンの園の神話は、 以前、私が「知恵とは回り道をすること」と書いたことに反対しているように感じる。 そこが面白くて印象に残ったのだが、この葛藤をどう統合していったらいいのだろうか。 この葛藤について、以前と異なっている所がある。…

一つの神話 目的意識と計画の危うさ

今日仕事をしていて、手を洗うとき、気がついたことがある。 何でもないことだが、新鮮だと感じたので記録しておく。 それは、汚れた手を洗おうとして、手を洗わなくても、汚れたものを洗えば汚れは一緒に落ちるということだった。 昔、雑巾は、自分を汚すが…

「無名のアルコール依存症者たち」の援助

木に夏ミカンを切って置いていたら、ヒヨドリがつつきにやって来た。 夢中になって食べている。 アルコール依存症の治癒に効果をあげているAA(アルコホーリクス・アノニマス - Wikipedia)(無名のアルコール依存症者たち)という会の援助方法と会の取り…

如来とひとし

「・・・しかれば弥勒におなじ位なれば、正定聚の人は如来とひとしとも申すなり。 浄土の真実信心の人は、この身こそあさましき不定造悪の身なれども、 心はすでに如来とひとしければ、如来とひとしと申すことあるべしとしらせたまへ。」 親鸞聖人のお手紙 …

彼岸なのに墓が雪に埋もれている

一週間前は、かなりの雪が降ったが、ずいぶんと解けている。 でも、2mほどある家の裏と寺の前の除雪をした。 2時間ほど除雪をしていたら、ついに鼻炎になってしまった。 くしゃみと鼻水が止まらない。 明日は彼岸なので、墓地に行ったら、雪がまだ1mほ…

水平線は双曲線!

小さい人たちに教えていた時、「水平線は直線でないとおかしい」と言ったことがある。もし曲がっているとしたら、後ろの方は落ち込んでいるからだ。(つい先日までそう思っていた)それ以来、水平線を見るたびに直線かどうか確認をした。 例えばこの写真の地…

「生物学者と州教育委員の頭のからっぽさについて」

カリフォルニア州教育委員会が反進化論(創造説)の決議をあげたことに対して、ベイトソンが反論を書いている。 この列島でも、そういう法案が出される可能性(いや!すでに出されている!)があると考えて読んでみた。 題は、「生物学者と州教育委員の頭の…

ベイトソンの合理的な神秘主義

以前、「合理的な神秘主義」 「合理的な神秘主義」に導かれて という思考の方法のことを書いた。 ベイトソンが、「民族の観察からすすめた私の思考実験」と題して、合理的な神秘主義を説明している。 それは、二つの視点から説明されている。 一つはモチベー…

「一即一切」と全体=部分

華厳経には「一即一切。一切即一。」という思想がある。 ただ一つの中に一切があるということである。 そして、仏教の言葉には必ず逆を伴う。 「一切即一」 つまり、逆に一切はただ一つの中にあるということ。 一即一切。一切即一。 これを全体と部分と考え…

華厳経と菩提心と信心と善知識

華厳経と教行信証との関連について、今まで考察してきたことをまとめてみた。 善知識とする道 ( 華厳経と菩提心と信心と善知識) 大きなテーマは「善知識」とは何か そして、求道心=菩提心とは何か さらに、明恵さんの批判に対する答え そして、女犯偈と入…

善財の問い=菩提心=普賢の行願

様々な善知識への善財童子の問いが素晴らしい。 例えば、 私はさとりを求める心を発しましたが、 いまだどのようなものが菩薩の行であり、どのように実践するのかわかりません。 ○いかに学び、いかに実践すべきか? ○どうしたら生死の苦の中においても菩薩の…

52位の菩薩

もう3日間雪が降り続けている。 60㎝は超えている。 いつもなら、雪が解けだしている頃なのに。 うちに法蔵の華厳経探玄記が数冊ある。 門徒の方が持ってきたのだが、漢文で書かれており、全部を読むのは無理だ。 でも、書き込みをみると、昔の人の学びの…

負のフィードバックの教育

冬に戻ってしまった。 まだ降っている。 予報では50㎝だったが、有難いことに30㎝ほどだ。 まだ降れば50㎝はいくだろう。 思えば数日前までバリ島にいた。 気温30℃であったが、風があり過ごし良かった。 真冬から真夏へ行ったから体調を崩すのも当然…

善知識とする道

教行信証に華厳経がたくさん引用されているのはなぜだろうか。 まず、華厳経は菩薩の道を指し示している。 入法界品は、その菩薩の道=人生の道を、譬喩でもってとてもユニークに述べてある。 善知識に出会う善財童子の生き方そのものが、生きる道を示してい…

「モラルハラスメント」と「ダブルバインド」

仏法は、哲学や精神科学と比べて遅れているのだろうか。 そういう問いをもって、哲学や精神科学に挑んだ人が清沢満之。 清沢とベイトソンに共通する所を感じる。 それは、それまでの学説や教えをそのまま受け継ぐのではなく、 自らの経験と自らの思考をもっ…

ベイトソン「精神の生態学」

旅行していて更新ができなかった。 体調を崩してしまったが、とても貴重な体験だった。 体験と経験はどう違うのだろうか。 「体験を経験にする」といえば通じるが、では経験とは何かを定義するとなると難しい。 この旅行でグレゴリー・ベイトソンの「精神の…

「善財童子の旅」現代語訳華厳経入法界品 大角修著

「善財童子の旅」現代語訳華厳経入法界品 大角修著 親鸞さんは涅槃経と華厳経を沢山引用している。 それは、なぜなのか調べようと思って借りた。 この中の、善知識「貴公女ゴーパー」の話の中の「太子と町娘の恋」の話は まさに、女犯偈とおなじテーマである…

ケアの倫理と縁起

昨日は、岐生研の理論学習会で「ケアの倫理」について、詳しく説明してもらった。 その中で、川崎の事件で、3C(ケア、コンサーン、コネクト)を使って、 万引きをするということで仲間を維持していることがあるという話が出た。 3Cとは、コンサーン(ほ…