福寿草とアニミズム

おふくろが畑の雪を除いてほしいと言ったので、
除雪機で谷に雪を放り込んだ。
しかし、雪があまりにも多いので、すぐに谷がつまり、思うようにできない。
否が応でもやがて融けるのだから、よけいな行為であると思いながらついやってしまった。
 
雪が融けたところに福寿草が咲いていた。
 
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おふくろは、まだ寒いのでかわいそうだ、あれだけの雪の中でよく咲いた、けなげだ、という。
夜は袋をかぶせてあげている。
まだ雪の下のは、速く融かさないとかわいそうだという。
 
完全にアニミズムである。
人類の自然に対する接し方は、トーテミズム→アニミズム→神々の誕生→一神教→科学・経済→
と変化していく。
成長進化発展していると言いきれないところが面白いところだ。
トーテミズムは、自然と自己を同一視する考え方。つまり魂は同じ。
アニミズムは、人間自身から得た手がかりを回りの自然に押し当てる思考法。
つまり、山も川も草花も精神を持つ。
そして、精神が自然界から切り離されて一人歩きを始めるのが、神々の誕生。
この考え方は、精神を左右させている構造から精神を切り離すという考え方へと変化し、
経済や科学を造りだしていく。
 
つまり、それまで自然と一体だった精神が、自然から切り離される過程だ。
そして、それは精神がもろくなるということを示す。
 
例えば、精神が身体を支配するとか。
誰かが悪いとかシステムが悪いとか。
そのシステムを動かす権力を求めたり。
しかし、権力の観念が、それをいだいたものの心を必ず腐らせるというのは、歴史の真理なのだ。