2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧

漱石の個人主義

私が「経済の話」を聞いている尊敬する人生の先輩が尋ねてこられた。 いろいろ話しの中で、漱石の話になった。 例えば、「こころ」は、乃木将軍の殉死に対するアンチテーゼではないかと言われる。 忠義に対して、女にほれた友を裏切ったという極めて個人的な…

煩悩の厄介さ

私たちの持つ煩悩はとても厄介なものだ。 煩悩は本能とは違い、濁世と業の中から縁起として出てきたもの。 差別、欲望、瞋恚・・・など人の愚かな行為を言う。 これをどうするのかということで聖道門と浄土門は分かれる。 差別はいけないからやめようという…

「1年3組」はどこにあるのだろう

昨日のプチ法話で、33年前の教え子が参加。 たまたま実家に帰ってきていて、たまたま朝プチに来て、たまたまポスターを見たという。 7年前に、たまたま本屋で私の本を手に取ったことも話してくれた。 かっての数学の授業のこと、クラスのこと、そこで起こ…

因としての往相廻向と果としての還相廻向

ふと疑問が浮かんできた。 「往相廻向のあるゆえに、還相廻向の利益有り」 往相廻向が因で、還相廻向は果になっている。 しかも利益があるとなっている。 早速和讃を調べてみる。 「 還相廻向ととくことは 利他教化の果をえしめ すなわち諸有に廻入して 普賢…

「高倉健という生き方」

「高倉健という生き方」を見た。 (1)映画をつくる仲間と終われば別れること (2)映画のロケの場所に住む人々との交流 この二つが心に残った。 芝居は何度でも演技をしなければならない。 映画は一回限りの演技であり、その場所、その人、その時でしか現れ…

ハラスメントの反対はエンターテインメント

岐生研の学習会があった。 講座2本とレポート分析という盛り沢山の内容だった。 講師は溝部さん。 溝部さんの話は自分の教師歴を語りながらの実践の話で、若い人たちに勇気を与えるものだった。 その中に、セリフの話があった。 子どもたちにどんな言葉をか…

「指導者原理」と「上意下達」

ナチスのことを調べていると、人間の持っている様々な煩悩が浮かび上がってくる。 その一つに「指導者原理」というものがある。 「国家社会主義ドイツ労働者党」ナチスには、いくつかの理論がある。 「指導者原理」は、その最も基本的な原理である。 「指導…

機法一体能所不二

「機法一体 能所不二」 機とはたのむ我々、法とはたすける仏。それは一体である。 能とは働きかける指導者、所とは働きかけられる生徒。それは別々でない。 教育は、指導者が生徒に働きかける試み。 その時、両者は対等ではない。非対称である。 だから、そ…

素晴らしい合唱、きいて!

友人がやっているラジオ放送。 子どもたちの合唱が素晴らしい。 私は聞きながら、何度も涙が出てきました。 ぜひ聞いてください。 素晴らしい合唱、聴いて!

自己感情の回復(悲しみの力)

教育はハラスメントを含んでいる。 指導という名目でハラスメントを加えるというのは、全てのハラスメントで起こっている。 ハラスメントとは一方的な押しつけである。 たとえ相手の為であると理由づけても、そこには平等なコミュニケーションは存在しない。…

寒念仏和讃

寒念仏和讃というのは、寒中に戸外で行をするときに歌ったものだという。 最初読んだときに、何だか古臭く、どう歌ったのかわからなかったので、ほかっておいた。 親父の書いた昔の記録を読んでいて、再発見。 読むと、念仏の功徳のことが丁寧に書いてある。…

郷帳と蛇抜け

江戸期を通じて、農業技術の発展により、収穫高は右肩上がりに伸びている。 ところが、正保(1645)の郷帳と宝暦6年(1756)の郷帳を比べると、石高の減った村がある。 石高が上がっている村もあれば、変わらない村もあるが、その中で、減った村が…

「郡上一揆と隠し田」

郡上図書館・大人の学校で、「郡上一揆と隠し田」の話を聞いた。 郡上一揆の話は何度も聞いているし、本も読んでいるのだが、いくつかの新しい発見があった。 まず、井藤さんの「コンテキスト」がある。 井藤さんの問いは、 「一揆に立ち上がった人たち(若…

授業案の二つの作り方(コンテキストとコンテンツ)

コンテンツ(内容)を基にした授業づくりと、コンテキスト(文脈・前後関係・事情・背景・状況)に基づいた授業づくりについて 教材を授業化するにあたって、この二つの対比を試みてみる。一つは、「結果から見る方法」もう一つは、「因縁を創る方法」同じ教…

「アイヒマン実験」

ミルグラムが行った通称「アイヒマン実験」という心理実験がある。 ミルグラム実験 - Wikipedia いつだったかTVで映像で紹介されていて、その結果にびっくりした覚えがある。 1、記憶と学習についての実験であると説明 教師と生徒を決める 生徒が間違える…

「学び」こそが世界を変える

全体主義がダメなのは、学び(学習)を阻害するから。 権威主義もおなじく学習を阻害する。 いじめ=ハラスメントは最も「学び」を阻害する。 そして、「教えること」は「学ぶということ」から最も遠い行為。 どうやら、世界を読み解くための根本は、学習(…

人間はなぜ感情を持ったのか?

人間はなぜ感情(という厄介なもの)を持ったのか? めんどくさいとか、むかつくとか、いやだとか・・・ そういう感情がなければ仕事や勉強が効率的に進むはずなのに・・・ でも、感情はロボットと人間を区別する唯一のものだ。 じゃあ、感情はどういう働き…

「数学教育」12月号「教材とコンテキスト」

明治図書「数学教育」12月号が届いた。 「身の回りの素材を授業の教材につくり変える方法」というテーマだったので、例をできるだけ多く出した。 どんなことを書いたのか忘れてしまっていたので、自分のを真っ先に読んだが、 いつの間にやら、他の人の論文…

「ハラスメントは連鎖する」

サイバースペースという言葉はサイバネティックスからきている。 この概念を発見したのはウイナーである。 40年ぐらい前に、教育工学というのがはやり、授業のフローチャートを描かされたことがある。 課題を出した時、子どもができなかったらフィードバッ…

欲生我國の願

「ハラスメントは連鎖する」について、つれあいに質問してもらった。 つれあいは読むのがめんどくさいからなのだが、問いはこちらの理解もすすめる。 おかげでわからないところも見つかったり、そういうことだったのかと納得するところもあった。 説明とは自…

自然界のらせん―らせんとは、どんな形か?

いけばな小原流の月刊誌「小原流挿花」に、らせんのことを書いた。 http://www.ohararyu.or.jp/members/soka/index.html カラー刷りの写真が入りとても気に入っている。 らせんは生命の象徴なので、いけばなの特集として取り上げたということだったが、 いけ…

クルミのかたい殻

クルミを割るために金槌を使っている。 こんなにかたい殻だと外からは侵入できない。 しかし、芽を出すのは大変だろうと思ってしまう。 このかたい殻を破るためには、内部の圧力はどれほどなのだろう。 実が細胞分裂をして、大きくなるためには水分が必要だ…

親鸞一人がためなりけり

現象をどうとらえるかについて、二つの対比を考えている。 私は、対比して図にすると分かり易いので、つい追究してしまう。 みんなのため ・・・ 親鸞一人がため 客観的 ・・・ 主観的 普遍的知識 ・・・ 個人的知識 対象化(私とそれ) ・・・ 経験化(私と…

「子どもたちよ、ありがとう」

報恩講をお勤めすることができた。 いくつかの気づきがあった。 法要の時のお経は内容がわからなくても、音で包まれること。 だから、音程が乱れると気持ちが悪くなること。 黒板を前にして法話を行うと、自然にできること。 これは、長年の教員としての習性…