自己感情の回復(悲しみの力)

教育はハラスメントを含んでいる。
指導という名目でハラスメントを加えるというのは、全てのハラスメントで起こっている。
ハラスメントとは一方的な押しつけである。
たとえ相手の為であると理由づけても、そこには平等なコミュニケーションは存在しない。
感情を抑圧し苦しめる。
 
この場合、ハラスメントの呪縛から脱出するには、二つの立場がある。
一つはハラスメントをされた側から、もう一つはハラスメントをしている側から。
 
これがハラスメントの厄介なところである。
というのは、ハラスメント構造は、被害者が加害者になることが往々にしてあるからだ。
だから両方を踏まえないと、被害者がいつの間にやら加害者になってしまい、永遠に構造が保存されてしまう。
 
とはいっても一番の問題は、被害者が自分はハラスメントを受けていると認めることである。
ハラスメントは、自分を裏切った上での行為なので、意図的ではなく、気づきにくい。
 
ハラスメントを脱出するための6つの方法を書いておく。
 
(1) 怒りの力・・・ハラスメントを受けていることに対して怒りを持つ
   怒りの力は脱ハラスメントの第一歩
(2) 仕返しを意図しない
   でないと、今度は自分が加害者になってしまう。人格でなく行為そのものを問題にする。
(3) 謝罪の力・・・加害者は自分の行った行為を率直に認めること
   人は間違いをおかす。その時、間違いを認めることは最も大事なこと。
(4) ハラスメントを正当化しない
   理不尽さを正面から認める。それは悲しみであり、悲しみの感情は原点である。
(5) 自己憐憫を決してしない
   それはハラスメントを正当化してしまう。
   ハラスメントを認めることは、自分が受けた被害を自分自身で悲しむこと。
   悲しみと自己憐憫は全く異なっている。
(6) 悲しみの力・・・自己感情の回復
   悲しみは、厳しさと優しさを繋ぎ、本来の自分へと統合させてくれる原動力。
 
自己感情とは、感情や心理的要求が自己の一部であるという感情。
これを回復することが、ハラスメントの呪縛からの脱出の目標である。
評価や外的規範のプレッシャーから自由になり、充実感に満ちた生をおくることができる。
それは、学習を続けることによってしか脱出できない。
 
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