「数学教育」12月号「教材とコンテキスト」

明治図書数学教育」12月号が届いた。
「身の回りの素材を授業の教材につくり変える方法」というテーマだったので、例をできるだけ多く出した。
どんなことを書いたのか忘れてしまっていたので、自分のを真っ先に読んだが、
いつの間にやら、他の人の論文をラインを引きながら読んでいた。
授業することはほとんどないのに、この頃、それが楽しみになっている。
 
教材というと、教える材料と考える。
すると、教科書の「問題」を思い浮かべるが、それは狭すぎで面白くない。
私は、教材=学習材と考えて、教具も含め、学習者と一緒に探っていく対象ととらえる。
そうすると、その対象が探るに値するものかどうかが一番問われる。
 
その対象となるものを素材という。だから、教科書の「問題」はあくまで素材である。
その素材を教材にするためには、その素材からコンテキスト(文脈)を引っ張り出す。
コンテキストと結びついて教材として学習者の前に現れる。
 
他の人の論文を読みながら、大事なことは、
「どのようなコンテキストを引っ張り出すか」だということに気がついた。
それは、外にあるものでは無く、学習者の中にあるものだ。
目標から出てくるものではない。
数学の分野の体系から出てくるものでもない。
その素材そのものの構造や、学習者の経験から立ち現れてくるのものがコンテキストなのだ。
そして、授業は、さらなるコンテキストを生み出し、意味を与える。
 
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