授業案の二つの作り方(コンテキストとコンテンツ)

コンテンツ(内容)を基にした授業づくりと、コンテキスト(文脈・前後関係・事情・背景・状況)に基づいた授業づくりについて

教材を授業化するにあたって、この二つの対比を試みてみる。
一つは、「結果から見る方法」
もう一つは、「因縁を創る方法」
同じ教材でも、異なったコンテキストの中にあることがよくわかる。

「結果から見る方法」は、
目標を定め、評価を定めて、それに沿ってプランを練り、授業案を立てる。
「因縁を創る方法」は、
教材の意味を探り、教材のコンテキストを考え、ストーリーを編み、物語を作ることで授業となる。

この二つの方法は全く異なる。
因果という言葉があるので、そこから「結果」と「因縁」をイメージして二つの方法を区別してみた。
「結果」から見る方は、目標(=評価)→計画→実行→評価→となっている。
これに対して、「因縁」を作る方法は、意味→コンテキスト→ストーリー→物語→となっている。

ここには大きな違いがある。
「結果から見る方法」は説明しなくてもわかると思うが、
「因縁から見る方法」は評価は考えないところが大きな違い。
教材の面白さを追求することにより、因縁を創り出す方に重点を置く。
この場合、コンテキストと意味は同時に創発される。
そして、ストーリーは授業として表現され、

物語は学習者の中にそれぞれの意味のエピソードとして生み出される。
つまり、学習者の内発的な動因を生み出す過程を重視する。
そうすると、ストーリーは魂がゆすぶられるようなものである必要がある。

今度は、教材のコンテキストを対比してみよう。
結果から見る方法は、教材は「与えられた問題」
因縁を創る方法では、教材は「私の問題」

「学び」から言えば、その因の一つとなる教材観も常に更新されなくてはならない。
そうでなかったら教材は生きた世界として学習者の前に顕れることはない。

私はどちらの授業を多くやってきたのだろうか。
イメージ 1