100分de宗教論

二日は忙しくて見えなかったので、NHK+で見た。(9日までは大丈夫)
1.5倍速ではなく、等速でしかも二回見た。
二回目はメモを取りながら。(止めてメモしていたから何回も)
メモはA47枚。

宗教から見た日本の近代化の歴史
私たちにとって宗教とは何か

近代化とは資本主義と科学を求める歴史だった。
その結果様々なひずみやほころびが出てきた。(カルト、ヘイト、対立・・・)
そして、政治と宗教の話がはばかれるような雰囲気が出てきた。
日本人の62.3%の人が信仰している宗教はないと答えているという。
しかし、初詣に出かける人が9千万人以上だとすると確実に宗教民族と言える。

さて四人の講師の取り上げた本は

①「予言がはずれるとき」 宗教誕生のメカニズム
②「ニコライの日記」 正教とカトリックプロテスタント
③「大義」 戦前の日本を見つめる
④「深い河」 神はどこにいるのか

いずれも興味深く、それぞれに何日もかけて書いても良いテーマだった。
今回は①を取り上げる。

心理学から宗教の誕生を実際の参与観察からのレポートを取り上げた本。
以前「世界公正仮説」や「確証バイアス」や「ハロー効果」や「正常性バイアス」を取り上げたけど、さらに新しく「認知的不協和音理論」が登場した。

予言が外れたにもかかわらず、かえって信仰が強まったのはなぜか。
そういう心の仕組みがある。
彼らはこう考えた。
「予言が外れたのは、私たちが集まっていたことこそが大いなる光を放ち、
 神がこの世を破壊から救ってくださったのだ」と。
そして団結を広めよと新たな布教活動に励む。

自分の中に矛盾する二つの認知が生じた時に現れる不快感を「認知的不況和」という。
この不快感を軽減させて心の安定を保とうとする心理が働く。

この理論は現在ではマーケットで利用されている。
「食べて痩せる~」とか「短時間で英語が喋れるようになる方法」とか。
さらにこんな実験がある。
「フェスティンガーは、単調な作業を行わせた学生に対して報酬を支払い、次に同じ作業をする学生にその作業の楽しさを伝えさせる実験を行った。
 この実験では、実際にはつまらない作業という認知と矛盾する楽しさを伝えるという認知から不協和が発生するが、報酬の多寡で楽しさを伝える度合いが異なる事を確かめた。
 報酬が少ない学生は、報酬が多い学生よりも楽しさを伝える度合いが強く、割に合わない報酬に対して「本当は面白かったのかもしれない」と、認知に修正を加えて不協和を解消しようとする心理が強く働いているとした。」

これは「居酒屋甲子園」で実際に利用されている。
カルトやヘイトも同じで、私は選ばれた人だという意識が働いて、まっとうな批判よりも自分の都合の良いことだけに耳を傾ける。

釋徹宗さんはこの心理から脱出するために「内面に多面性を育てる。聞きたくない情報も聞く。都合の悪いことも聞くようにする」と言われた。