エウレカ体験は暗黙知だった!

昨日の「知識変換」における「暗黙知」について。
この理論が使えるかどうかは応用してみればすぐにわかる。

まず「暗黙知」については体験してみるしかない。
形式知で伝えられないからだ。
これを身につけるのに最も適しているのが数学の問題。
暗黙知である「エウレカ体験」を身につけるには数学が一番適している。

これについては「数学の「エウレカ体験」について」で述べた。
(この時点ではエウレカ体験が暗黙知であるということは認識していなかった)

例えば、
映画「武士の家計簿」で、おばば様がひ孫に鶴亀算のお題を出す場面がある。
『鶴と亀が合わせて百います。足の数は全部で二百七十二本。鶴は何羽、亀は何匹いるかな。お前の父はこれを五歳で解いたぞ。』と挑発しながら。
孫はそれを自分で解くのだ。解けた彼が喜び勇んで報告に行くと、倒れていたおばば様はそれを聞いて「ご明算」と褒めて亡くなる。
解けた時の喜びも含めてその時「知る」という暗黙知を体験する。
これが和算の伝授の仕方。暗黙知のトレーニングはこれしかないのだ。

この「わかった!」という体験があると、昨日の4つの段階は行いやすい。
というか暗黙知の体験がないと最初の共同化もできない。
暗黙知の共通体験を共同化するのは、やはり暗黙知を体験していないとできない。
そして、暗黙知言語化する表出化は「証明を説明する」過程そのものなのだ。

今までエウレカ体験を暗黙知として自覚していなかった。
これが表出化にあたり、形式知形式知連結して新しい形式知が生まれたことになる。この新しい知はエネルギーを持っている。

ただし、子どもに難しい問題をむやみに与えてもダメで、そこにはおばば様のようなメンターが必須であることを忘れてはならない。

キャスト・スタッフ - 武士の家計簿 - 作品 - Yahoo!映画

武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新 - Wikipedia