市民の運動って何だろう

友人から教えてもらった運動論がとても面白い。(組織論ではない)

日高六郎が、1973年の論考「市民と市民運動」(『岩波講座現代 都市政策2 市民参加』岩波書店)のなかで、その特徴を次のように整理しています。
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①組織よりも運動をという発想、
当事者中心主義
固定した指導者をつくらないこと、
④一切の官僚主義にたいする拒否、
⑤非能率を気にしないこと、
⑥成果によって運動の成功・不成功をいわないこと、
⑦天下国家を論ずることを避けること(鳥瞰的よりも虫瞰的を重んずること)、
特殊個別の目標を徹底的に追求することが普遍性に通じるという考え
   (この下に井戸を掘れ)、
⑨くるものをこばまず、去るものの悪口をいわないこと、

⑦の韻を踏んでいる「鳥瞰的よりも虫瞰的」を、私はいつも「カミよりもカメを重んずること」と言い換えている。
神の視点ではなく、LOGOのタートルのようにその場の視点で行動する。
これは⑧にも通じる。そもそも微分積分も同じこと。

さらに③「固定した指導者を作らないこと」は具体的にどうしたらいいのだろう。
例えば、

親密な仲良しグループを複数作り出す。(一つではだめ)

というのはどうだろう。そのグループがそれぞれいろいろな活動を創り出すことで運動自体が活性化する。

これは②「当事者中心主義」につながる。そもそも当事者が参加しない活動は運動にならない。つまりその当事者自身が仲良しグループになるのである。

いずれにしてもこれらの視点は面白い。