オープンダイアローグ

オープンダイアローグは「開かれた対話」と訳される。

何か問題が起きた時、
当事者を排除して専門家だけで決めるのをやめよう
という極めて当然な視点から始まった考え方。
フィンランド発祥の心理療法で世界的に効果があると認められている。

いろいろな立場の当事者がそれぞれの立場からの、それぞれの視点を出し合う。
この時、誰の意見が正しいかという議論はしない。
それぞれの視点を出し合って、参加者それぞれが自分自身の視野を広げていく。
すると、対話の前と後では見えている景色が変わってくる。
だから自分だけの視野で意思決定するよりも、より本質的な意思決定に近づくことができる。

例えば、
地域で何か問題が起きたとき、行政から2人のファシリテーターが派遣されて、その問題に利害のある住民に集まってもらいみんなの意見を聞く。そうして全員の意見を聞きとって「明日もまた議論しよう」とファシリテーターは帰るのですが、翌日また集まってみると、みんな意見が変わっている。お互いの意見の違いを聞きあったことで変化する。そうして地域で合意されたことが議案となって議会にかけられる。

とにかく対話をする。
面倒でもお互いの意見を聞きあう。その方が結果的により効果的に社会を運営できる。

心理療法の場合は専門家は二人以上が当事者の集まりに参加する。
そして本人の前でそれぞれの視点を出し合う。
どこか別の場所で治療方針などを話し合わない。
当事者というのは本人はもちろん家族や友人など関係するすべての人。

森川さんは、
「迷惑をかけない」が日本の最大のモラルになっている。
だから、苦しい状況のなかで我慢して頑張ってしまう。
それに対して、オープンダイアローグはみんなで話し合って工夫する。
自分を犠牲にして耐えるというのはいちばん安易で短絡的な対応だと思う。

と語っている。