母の生協の仲間の方が尋ねられた。
ずっと昔、鷲見で明治15年頃の生まれの方で、とても上品なしゃべり方をする人から「わせられた」という言葉を聞いたけど、この言葉を知っているかと。
もちろん初めて聞く言葉なので、どういう意味か聞くと、
「おいでになった」というときに使われたという。
高鷲の昔話をケーブルTVで見て、尋ねられたのだと思う。
すぐにメモを取った。
「わせられた」はどういう言葉なのだろうか。由来は? 方言なのか?
この頃はネットで調べる。
もちろん無い。
だけど「(あ)わせる」という言葉が引っかかる。
「合うようにする」とか「一致させる」
これは他動詞であるから目的語を伴う。
ところが「られる」という助動詞が入ると受け身になる。
とすると、
「合わせられた」→「わせられた」という変化も考えられる。
昔の人は受け身の助動詞を用いることで他動詞を自動詞のように使ったのではないか。
「合(会)わせられた」ことは何か大きな力で行われた縁起的なものであり、「来たこと」「会ったこと」を自動詞として用いることが何かおこがましいと感じていたから。
もう一つ、当地には助動詞「られる」を丁寧語として使う習慣がある。「会うためにわざわざよう来られたなぁ」というような意味で用いたことも考えられる。
「和せられる」というのもあるな。
言葉を調べる「コーパス」というサイトがあることを知った。
申し込みには一週間かかると書いてあったけど数時間で登録できた。
調べたけどこの言葉はなかった。