やっと「ダンゴムシに心はあるのか」森山徹著を理解できるようになってきた。
それはオートポイエーシスの閉鎖系の例としてだ。
ダンゴムシはほとんどある一定の行動をするが、「未知の状況」に遭遇させると「予想外の行動」を発現する。それは決まった行動ではなく、ダンゴムシが自律的に選択したとしか考えられない。
そして、ダンゴムシが自律的に予想外の行動をするということは、彼らに心があるということを示している。
この文章は書いてある通りでなくまとめたものだけど、このことが長いこと理解できなかったのだ。
森山さんは次のように述べている。
もしここでの変則転向が、彼らの心によって自律的に、すなわち、(私たち観察者にとっては意味不明でも彼らの心にとっては)何らかの意味があって選択されたのであれば、その出現の仕方は、でたらめだったり、機械のように規則的だったりするのではなく、「意味深長なパターン」になると予想されます。実際、多重T字迷路実験の第一実験では、変則転向は突如出現したり、突然なくなったりといった「意味深長なパターン」を示していました。
もちろんダンゴムシの行動にも人間と同じように反射的な行動もある。例えば丸くなるのはまさに反射行動。でも、元に戻る行動は自律的。
オートポイエーシスでは閉鎖系は自律性と自分の世界を持つこと、入出力の不在としてとらえられている。
このダンゴムシの実験は、まさにオートポイエーシスにおける機械と生き物の違いを指し示している。
こんな文章があった。
心の科学において、知能とは、
「やってしまったことに対してけりを付けること」
これはとても面白い。納得できてしまうことが。
「知恵とは回り道」よりも得心できる。
オートポイエーシスの自律性(閉鎖系)の例がここにある。