オートポイエーシスと回り道

河本さんの話を聞いていて一番心に残ったところは、
解決に直接向かうのではなく自分自身の中に多様な選択肢を開くことが大事である
ということ。

図にすると

この「病気」や「健康」には様々なコトが代入できる。

これは相手を理解しようとすることの破綻も示している。
相手を理解し、環境に適応させようとすることは、自己組織システムの本性にかなっていない。
なぜなら、そもそも「環境(世界)」は「自己(私)」が自ら作り出すものだから。
とすると、直接目標に向かうのではなく、別の方向を見ていたら、いつの間にやら治っていた、目標が達成された、というのが自己組織化システムの本来のはたらきで理想的。
そのシステムの能力を発揮させるプログラムは一つではない。
その人(システム)にあった様々な回路(プログラム)がある。
そして、それは外側にあるのではなく内側(自己の)にある。
外部から目的に行くように仕向けたとしても、内部(私)のプロセスが発動しない限り、そもそも無理なのだ。

これは回り道の拡張である。

河本さんはこの過程を水の凍結と融解で例えていた。
つまり、凍結の逆のプロセスが融解ではないように、病気になる過程と治る過程は異なっている。
なる過程をいくら調べても治る過程は異なっているからわからないと。