子育て・教育の集い 「語ろう、子どもの生きづらさ(貧困)」

分科会のテーマは、「語ろう、子どもの生きづらさ(貧困)」
ほとんどが地域の方。2時間半の短い時間だったけど、子どもたちの厳しい実態と同時に、様々な方たちの真摯な取り組みに明るい展望を感じた。

(1) 最初に岐阜県の保険医協会の河村さんから、子どもたちの口腔崩壊の話し。
東南アジアで90%の子どもに虫歯。日本では90%の子が虫歯が無い。ところが数パーセントの子が口腔崩壊と言えるようなすざましい虫歯となっている。これをどう考えたら良いのかという問題提起から始まりました。そこで明らかになったのは、子どもたちをめぐる格差の問題、貧困の問題。でもそれは経済的な問題だけではないということも明らかになってきました。

(2)学習支援教室てらこや文殊堂 NPO法人子援隊の活動報告(佐藤さん)
 市のまちづくり市民会議に集まった人たちの中で同じ課題を持った5人の人たちから始まった数年にわたる壮大な取り組みの歴史。でもそれはあまりにも自然な取り組みでした。その課題とは「貧困層の子どもへの教育の機会が少ない」保護者が安心して働ける環境づくりに取り組むには? そこから学習支援教室が始まります。その過程自体が学べるものでした。

(3)日本語を母語としない中学生のための学習支援教室(横山さん)
まず、この子たちは「移動する子ども」でもあり、実態がつかめない。関市でも60人ほどいる。この子たちが進学しようとすると、まず言語の壁が立ちふさがる。そして保護者の知識がないことも。彼らは授業で言葉の壁でわかったという実感を持てない。だから夢や希望が持てない。でも、支援教室などの様々な取り組みで夢や目標の自己開示をするようになった。彼らは信頼できる大人がそばにいてくれるだけで頑張れる。

(4)山下敏雅さんの講演「子どもの心に寄りそっていますか~子どもが大切にされるってどんなこと?~
弁護士の仕事も教師の仕事も同じだと感じる実践の話で、分科会のまとめでもありました。

(1)~(4)までのことをまとめると、「困難(生きづらさ)を抱えた子どもたち」の存在に決して目をつぶらない大人たちが居るということです。そして、どうしてこんなに優しい大人たちがいるのだろうかと思ってしまいます。それを一言でまとめると、自分自身と同じように子どもたちを見つめる目があるということがわかってきます。その目が人権の目です。「人権」というとかたぐるしく感じる法律の言葉のような気がしますが、この人権について山下さんが次のように見事に表現してくださいました。

人権とは
・一人ひとりが大切にされる、尊敬されるということ。
・誰かの物でも、人形でも、奴隷でもない、人間として大切にされること。
・男・女、大人・子ども、日本人・外国人、病気や障害のある人・ない人・・・
 どんな人でも。
・安心して毎日を過ごし、幸せな人生を送れるということ。

山下さんに接した少年や子どもたちが、投げやりだった自分の人生を考え直し、立ち直ろうとしたのは、山下さんたちのやさしさにあります。でも、それは何も特別のことではなく、この言葉通りに子どもたちに語りかけ、本人にどうするのか自己選択をさせてきた結果なのです。

帰りにサインしていただいた「子どもの法律」

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どうなってるんだろう? 子どもの法律

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 このブログめちゃくちゃ面白い。
しかも、法律をきちんと踏まえている。