「ほっと寺ス」とAlphaGeometry

子どもたちは誰も来なかったので、平さんと二人で昼が過ぎて飯を食べるのを忘れていろいろ語り合った。

不登校の子どもたちが多い学校があるコト(その原因を探らなければ)
子どもたちのつぶやきの正当なコト
仏教の話、数学の話
蚕の話だけでもいろいろひろがっていった。
今回は蚕の繭でお雛様を作る予定だった。

数学のことを話していて、
AlphaGeometryの証明のやり方を説明していたらふと気がついた。
このAIは二つのしくみを持っている。
一つは、幾何的な計算と代数的な計算をする記号計算エンジン(A)
もう一つは、言語モデルを用いて仮説を設定する(B)

これは人間も同じことをしている。(AIが人間から学んだ)
最初にAでやってみるとできない。そこでBを働かせる。
Bの部分が、図形の問題で言うと補助線を引くことに当たる。
補助線を引いてから論理的に推論(Aの部分)して結論に至れば完了。
至らなかったら、再び言語モデルが新しい補助線を生成してAに回す。
これを高速で繰り返せば、いつかは結論に至るという戦略。

本来人間がしていた戦略だから、当然人間の場合もこれをモデル化できるはず。
その方法は、補助線を入れて鮮やかに証明できる体験をすること。
この体験ができれば内的モデル化は完了で、AIのように大量のデータは必要ない。

そして、これは数学の他の分野の問題にも応用できる。
例えば、難しい方程式を解くときに、「この問題の補助線は?」と問えば良いだけ。
数論で「素数が無限にあることを証明せよ」という問題でも「この問題の補助線は何だろう」と考えればいいのだ。
そして、方程式や数論での補助線に当たるものを探り当てれば良い。
素数の問題では「背理法を使うのか」と知った時に、こんなの無理と思わないで、「そういう補助線なんだ」と考えると自然にスキル化(定式化)できる。

方程式の場合(単純な計算だけで出来なかった時)の補助線は、他のモノ、例えば図形に置き換えるとか、別の文字に置き換えるとか、いくつかの式をひとまとめにするとか・・・。
組み合わせでも、「もし~ならば」とか「逆を考える」と補助線が見えてくるはずだ。

ただ、証明と発見は違うように感じる。
証明は仮説設定で、発見は拡張だと思う。

こんなことは当たり前で昔から知っているような気もする。
どこかに書いているかもしれない。
すっかり忘れているだけかもしれない。
だけど、これはやはり発見だと思うので記録しておく。

明日はプチ法話