「奇跡の脳」と右脳と左脳

「軌跡の脳」ジル・ボルト・テイラー著という本は竹内薫氏の本(年をとると一年が早くなるのはなぜか)によって知った。
その本で印象に残ったのは「ヨガの精神状態」と「時間を感じる脳」のことだった。
ヨガをやっていると身体を感じる。手の平の向きだけでなく指の印ですら感じる。
そして、身体の延長(身体の外)まで感じる。
それがどうしてだろうと思って本の中で紹介されていたこの本を読もうと思ったのだ。

この本は脳卒中になった脳科学者の体験が書かれている。
脳卒中になった時に感じた時間の感覚がなくなったり、自分であるという感覚がなくなったりする。それが不安かというとそうではないらしい。幸せな感じや宇宙と一体化している感覚だという。

大脳の右半球はひとつのイメージを思い描いて現在の瞬間の全体像を認知する。
左脳マインドは細部にこだわり続ける。そして、左半球の言語中枢はあらゆることを説明し、定義し、分類し、伝えるために言葉を利用する。

「この言語中枢は現在の瞬間の全体像をバラバラにし、他の誰かとそれを分かち合えるように、管理しやすすく、比較しやすいデータの断片にする」
「言語中枢の役目のひとつは、『わたしは』と言うことにより。『自己』の意味を明確にすること。脳はおしゃべりをすることで、人生の細部を何度も反芻します。だからあなたは、自分の人生で起きたことを覚えていられるのです。それはあなた自身の生まれ故郷のようなもの」
「左半球の働きの中でも特別なのは、私たちを魅惑する、あるいは、不快にするものを分別して、階層的に情報を分類する働きです。これは、私たちが好むものには良いという判断を下し、嫌うものには悪いという判断を下します。批判的な判断や分析を通じて、左脳は常に自分を他人と比較します。・・・自我の心は個性にのめり込み、他人とちがうことを褒めたたえ、独立心をあおるのです」

では右脳は?
「右脳は、言語以外のコミュニケーションを理解することによって、左脳の言語中枢の働きを補います。右脳マインドは声の抑揚や顔の表情、からだの身振りなどの微妙な言葉の「あや」を評価し、コミュニケーションの全体像を見て、その表現全体のつじつまがあっているかどうかを判断します」

音楽で楽譜を見て練習している時は左脳、
演奏をしたり耳コピで奏でたりするときは右脳。