たまたまNHK+を見ていたら、バーマンのインタビューがあったので見た。
これがなかなか面白い。
1945年以来日本は米国の精神的植民地となっている。
つまり、米国と同じ消費社会になっている。(アメリカ型資本主義)
これは幸福とはお金と財産を獲得する事で、精神的には薄っぺらで空っぽ。
だからその内面の空虚をごまかすためにモノで埋める。
ありとあらゆるものを買いまくる。(葬儀でさえ商品になる消費社会)
バーマンは「問題はそれに終わりが無いこと」と言う。(まさに餓鬼道)
そして、セレブや有名人のⅩやFBを見て憧れ、思考も預ける。(畜生道)
それは過度の競争社会、管理社会を生み出していると。(地獄道)
それが150万人の引き籠りと30万人の不登校を生み出している。
でも、問われるのはむしろ「こちら側の社会」ではないかと。
これに対してバーマンはもう一つの可能性を提案する。
それは「無の思想」だ。
ありのままに見つめ、無心に受け入れていくこと。
簡単そうだが、これが難しいのは何かにとらわれているから。
例えば「強い自己は全てをコントロールできる」という考え方。(自己絶対化)
この囚われから脱出するには、
まず無力感を感じた時に、この前提が間違っていたことに気がつくこと。
そして、「弱い自己」を認めること。
意思が身体をねじ伏せようとするから、意志が強固であればあるほど抵抗は強まり、
ついには意志を砕く。
そうではなく、自分の無力さを自覚し、意思よりも身体の声を聴きながら動く。
周囲の人々、環境など、より大きなちからにゆだねる。
そうすると、おのずから
自己は身体と和解し、世界と和解する。
バーマンは
「創造性はそのような空虚から生まれる。(空即是色)
空虚を探し出し取り入れ、それを使って何かをすること。
本当の自分自身を見つけるまでは自由になれない」
と語っている。
ここでバーマンはオタクを評価する。
そして、「日本こそが脱資本主義のモデルになりうる」と語る。
「弱い自己」とは煩悩具足の凡夫の自覚である。
そして、この自覚は自己を身体とともに一つのシステムとして創り上げる。
(あくまでおのずから)
周囲の人々、環境へと自己を開いていくとき、このシステムは拡張し続ける。
(柔軟心)
念仏にはそのような作用が含まれている。