「最高の知」とは?

ただし「人間にとっての」という条件が付く。
この問題は「知・情・意」から出てきたもので、知には知識だけでなく、分析力、総合力、暗黙知や身体知なども含む。
もう一つ関連があるのが、「無知、不実、無力な凡夫」という自覚には自己肯定感が無いのでないかという問い、これに対する答えともなっている。
では、人間が持てる最高の知とは

                  
  私はわかっていない  ⇨   何も知らないから
  私は知らない         新たな出会いに
   無知の知          [驚き]が生じる
   [謙遜さ]            ⇩
   愚の大地に立つ          
   凡夫の自覚     ⇦   その驚きは新たな行動を生み出す
                 具体的な行動に踏み出す[勇気
      前に進む勇気は学ぶ勇気

心理学者のキングは危機を経験した後に成熟を果たすことができるためには、「驚き」「謙遜さ」「勇気」という3つの要素が不可欠であると指摘している。
人間は未来を予測することができない。だから計算違いは確実に起こる。驚く、人生に驚かされたと認めることは生きるために必要なことなのだ。そして、自分が如何に弱く、いかに小さな存在であるかを認める能力は受け入れがたい未来を受け入れ、期待を裏切られた後で再び、人生に新たな期待を抱くことは勇気を必要とする。(「危機の心理学」放送大学より)

凡夫の自覚は「自己否定ではない」

物事を複数視点で見えるかどうかが精神健康度で大切なこと

「自分が世界の中心であると同時に、世界の一部でもある」
という認識を同時に持てること。 
中井久夫