除雪機での道あけ

寺の屋根の雪は滑り落ちる。
それが山のようにかたまり、出入り口をふさぐ。
ところが年々、遠くへ落ちるようになり、山にならなくなっている。
雪が、湿っぽく、滑る勢いが強くなっているようだ。
 
その雪を除雪機で飛ばした。
飛ばすといっても、道をあけるために横に飛ばすだけ。
でも、一時間ほどで、道をつくることができた。
慣れないため、何べんも戻って進んだが、何とか道ができた。
 
雪下ろしと除雪は雪国の定め。
私はこれを「宿業」と言っているが、
それは、親父が、「雪かきで一生を終えたようなもんや」
と言った言葉からだ。
 
私自身も、雪下ろしで心臓がおかしくなったことが何度もある。
今年の2月には、2時間ほど苦しんだ。
でも、降ろさなければならない。
近所の方が、心配して降ろそうかと言いに来られた。
ありがたいことだ。
今年は、若い人たちに頼んで降ろしてもらった。
 
降ろした雪は春になれば必ず溶けて無くなる。
それなのに、そのまま置いておくことはできない。
少しでも溶かそうとするのである。
それは雪国に生まれた業のようなものだろうと思う。
 
 街並(住)や 雪とかすにも 銭がいる
 
これは小林一茶の句である。