葛野(かどの)さんから「寒念仏和讃をげんげんばらばら」で唄うユーチューブ音源が届いた。
150年ぶりに復活した寒念仏和讃を、唄詞と同時に味わっていただきたい。
美濃郡上寒念仏和讃 - YouTube
聞いていると嬉しくなってくる。
まさに歓喜念仏和讃
不思議なことに区切り方も私がやったのとほとんど一緒。
この和讃を何度も唄っていると深い味わいが出てくる。
太鼓と三味線も一人でやっておられるとのことでびっくり。
次の葛野(かどの)さんからのメールが楽しい。
ようやく寒念仏和讃げんげんばらばら版をアップすることができました。歌い始めが拍子とはずれているところがありますがやり直すほどミスがでて、スタミナ切れしました。
珍島挽歌が次のテーマです。称名念仏の日本伝来は円仁が比叡山に伝えたのとは別に、葬送儀礼とともに伝わり、念仏諸宗の祖師が布教したとされる時期には、すでに称名念仏は広く行われていたと思われ、その証拠が、韓国の野辺送り歌の念仏というわけです。
その次のテーマも決まっています。
江戸時代の念仏文化、特に本願寺周辺には、豊かな念仏文化(不一不二の民俗信仰と民俗芸能)があったとおもわれ、近代化の名のもとに破壊されたこれらを保護することです。
寒念仏に注目したのも同じ視点です。寒念仏の作者ほどの実力者が郡上から出たか、あるいは、有力門徒が本願寺から持ち帰ったか。論文発表しかなかった時代の人間ですが、長生きしたおかげで寒念仏和讃にネットで出会い、自説をネットに公表できる時代に恵まれました。ありがとうございました。
こうやって埋もれている文化を発掘していることが素晴らしい。
実は私も明治以来の「近代化」を見直して、かっての地域文化を掘り起こすべきだと思っている。それは仏教に於いても同じで、江戸教学を見直すべきだと思っている。
それから、この寒念仏和讃の作者について私なりに考察している。
実は思い当たる人が一人いる。
寒念仏和讃 (古い和讃の復元)
江州音頭:熊谷直実と平敦盛、姓名名乗りの一巻
踊りも入っています。
話のネタに切り絵を紹介します。
作家は高橋繁行さんで、最近、ライフワークを本にまとめられました。今月出版の予定です。(添付ビラ)
今回、旧作を使用させていただいたのですが、どれもオーダーメイドのように歌にはまって、いい感じになりました。
寒念仏和讃に使用した3点は、京都空也堂極楽院で毎年10月の空也忌に行われる踊躍歓喜念仏を題材にした切り絵です。
現代空也僧のあいだでは、寒念仏を復活させたいと話されているようですが、実現していません。
この念仏は、明治期、「秘事法門」のレッテルをはられ西本願寺から追放された、岐阜県大垣の一団が、空也堂傘下に入り、空也僧を招いて踊躍歓喜念仏を習得したもので、
江戸期の拾遺都名所絵図には、観客も大勢たのしそうに笑っているので、現在よりもっとリズミカルであったと思われます。郡上おどりのように。