地獄に落ちてもおじいちゃんが助けてくれるって言ったよ

孫たちが本堂で隠れ家を造っていた。
友だちが帰った後に、本堂に貼ってある熊野観心十界曼荼羅を見て、興味を持ったのか孫が聞いた。
「これは何をしているの?」
「地獄に落ちて鬼にいじめられているのだよ。悪いことをすると地獄に落ちるんだよ」
「針の山を歩くのは痛いな。ぼくも地獄に落ちるの」
「悪いことをするとね」
「でも、地獄に落ちたらおじいちゃんが助けに来るんでしょ」

この返事に驚いた。
なぜこんな言葉が出てくるのか。
阿弥陀様が地獄に落ちたものでも助けるのだから、私も孫を助けに行かなくては思って、「心配しないでいいよ。じいちゃんが必ず助けに行くからね」と昨年の暮れに話したことがあったことを思い出した。

「そうだよ。じいちゃんは必ずけんちゃんを助けに来るからね」
もっとも私は先に地獄に行っている。