年賀状を見ていると時々刺激を受けるコメントに出会うことがある。
「100分で名著で『日蓮の手紙』を見て、宮沢賢治がなぜ日蓮宗なのかよくわかりました。来世よりも現世の幸福を考えていたのですね。」
なるほどと感じ、でも・・・と、正月のぼけた脳に刺激を与えた。
1、「浄土真宗は来世の幸福と現世の幸福についてどう考えるのか」
という問いが浮かび上がる。そして、浄土真宗はかっては来世の幸福を願う面
があったことは間違いない。
2、本来は「現世の成仏」と「来世の成仏」の対比だったと思うのだけれど。
そして、来世の成仏は現世の幸福とは切り離せない。
3、この娑婆を少しでも良くしようとすることは大事なことだ。
しかし、現世を仏国土にすることは、かっての理想化した社会を創ろうとして
かえって悲惨な結果となった歴史を忘れてはならない。
4、例によって回り道モデル図式で表してみる。
私=現世 ⇨ 浄土=仏の慈悲
↓ 行動 ⇩ あなたが救われないと私も救われない
私のあるべき姿 ⇦ 私の本当の姿
「あなたが救われないと私も救われない」という言葉は仏の願いのことばである。
これを誓願とか本願とか大悲大願とか大慈大悲とかいう。
尽十方無碍光の
大悲大願の海水に
煩悩の衆流帰しぬれば
智慧のうしおに一味なり