アタッチメント理論について

「甘えと甘やかし」というテーマを「すくすく子育て」が取り上げていた。

孫をどう育てたらいいのか学習するためにこの番組をよく見るようになった。
その中で取り上げられていたのが、アタッチメント理論。

生活指導誌でも「家族の中で傷つく子どもと生活指導」というテーマで楠さんがアタッチメント理論を取り上げていた。そして、アタッチメントは、生活指導において「子どもの行動を理解すること」と「ケアとは何か」を示す大事な理論であるという。それで学習することにした。

アタッチメントは以前は「愛着」と訳されていたが、これは「愛情」とつながってしまって誤解を生むというのでカタカナを使うようになった。

これを説明するのに「アタッチメントシステム」を使うとわかりやすい。

子どもが探索行動をできるようになるのは、どういうシステムからきているのか。
例えば、子どもにとって何らかの恐怖の事態が生じるとこのシステムが働きだす。
(1)空腹・疲れ・ケガ・病気の時などの生体の弱った状態
(2)大きな音・他の動物の存在・見知らぬ場所などの危険を示す環境
(3)アタッチメント対象の姿が見えない、声が聞こえない、利用できない状態

子どもはこのような状態になったとき、このシステムが働いて、泣いて心的苦痛を表出したり、養育者に抱きつくなどの行動を起こす。

養育者はそばにより、抱き上げ、言葉をかけ、あやし、危険から守り、子どもを落ち着かせる。(この時、養育者には敏感性が求められる)(だからシステム)

恐れや心的な苦痛に敏感に応答してもらうことで子どもは安心し、アタッチメントシステムが沈静化する。そして代わりに「探索システム」が活性化し、子どもは探索行動を始める。

さらに探索の中で危険に遭遇すると再びアタッチメントシステムが活性化する。
アタッチメントシステムは探索システムの起点なのである。

とすると、「甘え」か「甘やかし」かというとらえ方がそもそもこの生物のシステムを間違ってとらえているということになる。

 問題は、様々な理由でこのアタッチメントシステムが働かない状況に置かれた子どもたちがいるということである。