「この世を生きる」井上尚実師の講演

大雨になる前にと娘が東京へ帰った。

夜、ふれあい創造館で
 愚禿と名のった仏者 親鸞の生涯 ③京都編「この世を生きる」を聞いた。

「本当の自己肯定感は正定聚に入ることで得られる」と。
歎異抄の第4章を正面から取り上げられたお話は始めて聞いた。
この章は俗世の考え方とは全く異なり、最も理解しがたい章で、
今まであまり聞いたことがない。
当時の飢饉や善鸞事件というご自身の体験を、晩年の「現生正定聚」と「浄土の慈悲(第4章)」の思想へとつなげられたことに感銘を受けた。

何時もながら、質問や感想が面白かった。
「私は弥陀の本願とは何かがわからない。これを頭でなく身体で体解すること」
そうなのだ。
では親鸞さんは本願をどう経験されたのか。
それは頭では理解できるけど、自分自身の経験として体解できるかどうか。

 聖人の歳を数えてはげみとす
   梅雨の間の聖典の文

親鸞さんの和語による著作は76歳から始まり88歳まで及ぶ。
その間に、今まで読んだ選択本願念仏集や西方指南抄や御自身の著書などを何度も書写しておられる。
まだまだこれからだ。

後生の一大事  ( 美濃島与之助さんの話)