教室のストーブ焚き当番

雪が降り出した。
ストーブを焚きながら60年以上前のことを思い出している。

秋になるとスギ葉を集めて学校に持っていくという課題があった。
このスギ葉はダルマストーブの焚きつけに使う。
そして中学校の時は薪運びもあった。
校舎の窓の下に積むのだけど、全校生徒が製材所から列をなして運んだ。

小学校の高学年になると、ストーブ当番というのがあった。
雪の朝、朝早く登校して、職員室からマッチを借りてきて、低学年のストーブを焚いていくのだ。
これが何とも誇らしかった覚えがある。
ストーブに火をつけるのはコツがいる。
スギ葉や焚きつけを使い、最後に薪を入れる。
うまくいかなくて教室中煙だらけにしたこともある。
低学年の子たちが登校してくる前に教室を暖かくしておくことは当たり前だった。

これはとても大事な教育だったような気がする。
これを一人で行うのだから、自分の持っている全ての力を出さないとできない。
目的とかは考えていなかったような気がするけど、60年以上たっても忘れられない記憶だということは大事なことだったんだと感じる。

これを思うと大事な教育を受けてきたと思う。
低学年への思いやりだったり、スキルだったり、自然との交流だったり・・・
そういえば煙突を設置するのも先生と一緒にやった。
ストーブに当たりながら話がはずんだり、ストーブの下に弁当箱を置いて温めたり、手がかじかんで鉛筆がうまく持てなかったり・・・
豊かな小学校時代だったと思う。