昨日も書いたけど、ニュースを見ると航空業、飲食業、旅行業以外の会社の業績がコロナ以前に回復しているという。トヨタは車が一番売れている。でも、実感はない。
GAFAのあるCEOは、このコロナの中で資産がどこかの国の国家予算よりも増えたという。(3月から12月までに上位10人の資産は56兆円増えた。これだけで世界中の人たちのワクチンが買える!)オックスファムより
それは株価の上昇から起きている。(株は資本主義の大衆化だ)
倒産や失業者が増えている中で株価が上がっている(下がらない)のはなぜだろう。
日銀がお金を回しているからだけど、そのからくりはあまりわからなかった。
昨夜NHK+で「欲望の資本主義」を見ていて少しわかってきた。
例によってメモをしながら見た。簡単に書いてA43枚だからそれを書くと大変。
だけど「右肩上がりの経済成長」は幻想であったし、「一億総中流」も幻想で、「大部分の人を犠牲にして成長を目指す経済」はもっと幻想だというようにまとめられる。
実体経済(労働による富)の低下 ⇨ 減税しても税収は増えるというレーガノミックス ⇨
新自由主義(トリクルダウン) ⇨ 構造改革(規制緩和)⇨ 市場に余った金が流れ込む ⇨
金融経済(資本による富)に重点 ⇨ 金融緩和 ⇨ 株価・ビットコイン(資産価値上昇) ⇨
情報通信革命(ICT)⇨ GAFAはカジノと同じ ⇨ 富の偏在 ⇨
上位1%が国民総所得の20%を超える ⇨(We are the 99% オキュパイ運動)⇨
無形資産(知識・技術・能力・情報=評判=ブランド)に付加価値をつける ⇨
ブランドバブル ⇨ モノからコト(心)・物質から精神 ⇨ バラバラの個人 ⇨
必要を作る・夢を買う(使用価値ではない商品化)⇨ 欲望の資本主義
(さらに並行して)
米中和解⇨グローバル化⇨賃金低下競争⇨市場が社会を食いつぶす⇨全体主義社会⇨
という流れになる。
これを発展・進歩といっているけど、単なる利便性と時短だけで生活が良くなっているわけではないし、人の欲望がむき出しになっているだけ。
この「欲望の資本主義」が、人間のさが(性)を解放したと同時に、そのさが(性)をもAIによってコントロールしようとしている。
私たちのとる道は「貧困からの脱出は経済成長しかない」のか?
成長か停滞かの二元的思考でいいのか?
でも、ここで、物質的なものへの回帰、リアルなものへの回帰が起きている。
そして個人主義的な思考から協調する技術へとICTを使いはじめている。
そして、エッセンシャル・ワークが私たちの最も基本的な労働だったのだと気が付き始めている人たちがいる。そこに希望が残されている。
そして、前は未来にあるのではない。前は過去にある。
私たちは後ろ向きに未来に向かっているのだ。
「前は過去」 ( 左右、前後、与格構文の話・PDFファイル)