「民主主義を学習する」ガート・ピースタ著

民主主義というのは、差異から学習することであり、
私たちが異なる他者とともに生きることを学習することである。
まさにこうした理由によって民主主義は、人生からのみ学習することができるのである。
                          「民主主義を学習する」より
 
ここで示される「民主主義」は、個別的であり、具体的なものである。
そして、人生そのものといってもよい。
私たちが、世界を知るのは、差異ある他者と出会い、自他の差異を学びあうことによってである。
 
「その時、
私たちは互いに他者の主体性を尊敬し、
互いに関心を持ち合い、
親しく交わることを通じて、
だれもが安心して自分のありのままを出せる「場」、
それを出しても排除や暴力の対象とされないで応答される「場」をつくりだすことである。」
 
私たちの人生は、
一人一人のものであり、その人しか体験できない特別のものである。
つまり、具体的で個別的なのである。
そして、それぞれの人生があり、異なっている。
 
私たちは、その具体的・個別的な人生を生きるしかない。
だれがが代わることができないと同時に、
だれかが、同じようにその苦難を生きぬいていたことも、
だれかが、その人生の苦難をわかっていることも含めて。