旧約聖書の読み方

100分で名著で「旧約聖書」をやっていたので、テキストを買ってきて読んだ。
旧約聖書は普通に読んでもわからない。
このテキストはその読み方の一つを示していると感じた。
 
「神はなぜ沈黙しているのか」
ユダヤ教民族宗教から世界宗教になったのはなぜか」
(これはキリスト教イスラム教を生み出したのはなぜかということ)
「本格的な一神教になった理由は」
「物語から律法を読む方法は」
 
そういったことが、聖書とユダヤ民族の歴史から分かり易く説明してあった。
これをなぜ読もうと思ったのかは、キリスト教との関連からだ。
一つは「カラマーゾフの兄弟」を読むため。
特に、「ヨブ記」「大審問官」との関連。
もう一つは、神の沈黙の意味をどうとらえるのかという問題。
これは、キリストの磔刑にも通じる重要な問題だ。
 
沈黙で思い出したのが遠藤周作の「沈黙」
そこで彼の著作「キリスト教の誕生」を再度読むことにした。
キリスト教はとても魅力があると思っていたが、それがユダヤ教の歴史と結びついたのは
新しい視点だった。
 
旧約聖書が矛盾に満ち、多様な一つの筋の通った物語ではないので、キリスト教が生まれた
ともいえる。
もちろん、イスラム教も旧約聖書から生まれた。
神と人との関係をユダヤ民族の苦難の歴史から読み解いている。
「人は神を選べない」「民に罪がある」・・・
 
目の前の幸福や不幸が、人間の側の罪のある・なしとは関係なく、神の意図に基づくもの。
そういうとらえ方は人類の智慧なのかもしれない。