恩愛はなはだたちがたく、生死はなはだつきがたし

孫を抱いた瞬間に何だか熱があるなと感じた。
孫を預かったけど、昨日は病院を探すのに時間がかかってしまった。
先生が明日は日曜日だからと薬をくださったのがよかった。
私が用事があるからと高鷲まで連れてきたのがよくなかったのかもしれない。
夜また熱が出て、薬を飲ませたが、つれあいは一晩中眠れなかったようだ。
午前中、いつもなら駆け回るのに気持ちが悪いとずっと寝ていた。
昼からは元気が出たのでホッとしたけどずっと心配だった。

ふと思い出したのが祖母の事。
自分は覚えていないけど、よく夜泣きをしたらしい。
そのたびにおんぶして宮まで歩いたと聞いた。
記憶にあるのは蚕を飼っている部屋の囲炉裏に落ちて足をやけどしたこと。
祖母の背中で足の皮膚がチリチリ焼けているのが見えた。
「ワシのせいで」と祖母が言っていたことを忘れられない。
その後、治るまで多分半年以上だと思うけど、病院へ背負って通ってくれた。
その祖母が病院へ入院した時に、あれだけ世話したのに孫が見舞いに来てくれんと嘆いていたと聞いたので、見舞いに行ったけど、それは多分一回しか記憶にない。
このことを思い出した。
祖父のことはよく法話で話すけど祖母のことは話したことがない。
  ⇨ 未来と将来  (三つの問い)
だけど幼児の頃の記憶にない所は祖父よりも祖母の方がもっと多かっただろうと思う。

祖母の見舞いに行かなかった自分のことも含めて祖母の方が祖父よりもリアルに感じる。
私の存在のあり方として。
これをありがたい話だと思ってしまう。
煩悩とはかくも深いものかと感じる。

恩愛はなはだたちがたく、生死はなはだつきがたし

母の愚痴もまたありがたい。
パートナーの文句もまたありがたい。腹立つけど。