100分で名著ハンナ・アーレント「全体主義の起源」

NHK100分de名著でハンナ・アーレントの「全体主義の起源」を見た。

今回2回目。

この本を読むことは難しいので、
テキストを買い合わせてTVを聞きながら読んでいる。

「今なぜアーレントを読むか」と、最初に講師の仲正昌樹氏が述べている。

1951年に発表された「全体主義の起源」は、現在も全体主義をめぐる考察の重要な源泉となっていると指摘し、
アーレントが指摘したかったのは、ヒトラーアイヒマンといった人物たちの特殊性ではなく、むしろ社会の中で拠りどころを失った「大衆」のメンタリティです。
現実世界の不安に耐えられなくなった大衆が「安住できる世界観」を求め、吸い寄せられていく― その過程を、アーレント全体主義の起源として重視しました。」
と書いています。
そして、
「私たちの中に国家への不信、寄る辺のない不安が広がっている今」も同じではないかと提起しています。

一回目は「異分子排除のメカニズム」
アーレントは「国民国家」の成立とその問題点(矛盾)を的確に指摘しています。
具体的に「ヴェニスの商人」や「ナポレオン戦争」を取り上げながら。

二回目は「国民国家が帝国化し、その過程の中で「人種思想」と「民族的ナショナリズム」が生まれ、さらに戦争によって「無国籍者」を生み出す過程を明らかにしています。
帝国主義ローマ帝国イスラム帝国中華帝国とは異なったモノです。
ローマ帝国では民族はそんなに問題にされませんでした。
ここでは、「地獄の黙示録」「ジャングル・ブック」「アラビアのロレンス」を例に取り上げています。ベイトソン民俗学やレヴィ=ストロースの社会人類学はそれを乗り越えようとする試みだと改めて感じました。

第3回以降が楽しみです。