書くことの意味

  ここにいる 今このときも もしかして
      友のことばを 笑ひて悔いし

認知症の母を一人置いて、ここに来ている。
もしかして・・・と心配している友のことを笑ってしまった。
俺も同じだと。
でも、笑うべきではなかった。

ふと湧いてくる思いは、書くことによってしか消化できない。
「日常的な時間をせきとめて、世界と自覚的に対峙する」儀式としての文字。
もう一つ、
「日常的な時間のながれをいったん断ち切って、それと自覚的に向かい合う。
書くということは、死の空間に歩み入ることなのだ。」

笑うことは「対話」ではなかった。
その後が大事だったんだと、悔やむ。