需要供給曲線

市場原理と競争原理から経済の原理を調べている。
経済学の教科書に「需要と供給の曲線」が出てくる。
 
イメージ 1
この図を見ているといろいろな疑問が出てくる。
 
「需要はモノが少ないほど値段が高くなり、モノが多くなると安くなる。」
これは何となくわかる。
では、「供給はモノが少ないほど安くなり、モノが多いほど高くなる」のか。
これはおかしい。グラフを逆に読む。
「供給はモノが安いほど少なく、モノが高くなると多くなる。」
これならおぼろげにわかるが、需要や供給の主体がはっきりしない。
そこで、
需要を「買いたい欲望」
供給を「売りたい欲望」
と見なす。
買いたい欲望は、モノが少ないと価格を上げ、モノが多いと価格を下げる。
売りたい欲望は、価格が高いと量を増やし、価格が低いと量を少なくする。
これで、すこしわかり易くなった。
 
でも、疑問も生まれてくる。
モノが多くても必要なモノなら価格が下がらないのでは?とか。
価格が低くても量をたくさん売れば良いのではないか?とか。
売る方はたくさん作ると価格が下がることを知っているから調整するのではとか。
 
さて、この図は適正な価格と数量を市場が決めるということを示している。
 
「競争市場では、需要と供給(じゅようときょうきゅう)が一致することにより市場価格と取引数量が決定される。」
 
しかし、それは誰が決めるのだろうか。
どうやって一致するのだろうか。
前もって計算して生産量を調節するなどということができるとは思えない。
なのに、この理論は自動的に一致し、価格と数量が決定すると仮定している。
買う方はセリでもしない限り値段を決めることはできない。
とすると、決めるのは市場ということか。
どうやらこれが、市場の働き=市場原理らしい。
でも、市場はどういうシステムで一致させるのだろうか。
 
人々が物の価格が下がれば、その物の需要を増やす
という命題のことを需要法則という。
 
文章としておかしいので、自分なりに言いかえてみよう。
「人々の欲望は、物の価格が下がれば、その物を買うように仕向ける。」
価格が下がったことによって欲望が突然出てきたように読めるが、
欲望は常に一定で、買う量と値段との関係を表しているとも取れる。
例えば、安いと沢山買うということはありうる。
実際に、双曲線になっているということは、買いたい欲望は一定であるということを仮定しているようだ。
 
或るものを買いたい欲望=モノの数量×モノの値段
一方、売りたい欲望も一定とすれば、供給曲線の方は逆だから、
或るものを売りたい欲望=モノの値段÷モノの数量
ということか。
でも、これだと直線だから曲線にするには、
売りたい欲望=モノの値段÷(モノの数量)^2
 
本当にこんな法則があるのだろうか。
モノの値段は、材料費と作るという労働に要する費用と宣伝費用と輸送費と小売の費用によって決まってくるという方がすっきりするのではないか。
 
これだけから結論は出せないが、経済は決して合理的、科学的ではなく、根底に神秘的なものを常に含んでいるようだ。