言語化すると不安が解決するのはなぜか

昨日は東海北陸地区セミナーにオンラインで参加した。

実践分析の中に「仮想的」と「現実的」の話が出てきた。
ネット世界を仮想だととらえてしまうけど、現実の家庭や学校だって仮想ではないか。
そういう議論の中から、以前から不思議に思っていたことを「現実界」との関連で言語化できた。

それは、トラウマが抑圧されそれが症状となって表れた時、不安に思っていることを話したり書いたりして言語化することが解決策(の一つ)だということ。
 言語化する(書く・語る)ことはどういう働きをしているのか?
 なぜ解消されるのか?

自我が受け入れられない「イメージ」や、想像界として消化できない「現実そのもの」(現実界)が、フラッシュバックすることがトラウマ。
  ⇓ だから
不安に思っていることを話したり書いたりして言語化すると、象徴界へと消化していくことができる。さらに、想像界のイメージとして受け止めていくことができる。つまり自分自身でイメージをコントロールすることができるようになる。(芸術はこれ)
そして、それまで自分を支配していたコト(トラウマなど)を自分自身の言葉やイメージにできたことにより、「自分自身の人生の物語」という形式の中にイメージとして取り込むことが可能になる。
不安が明らかになることは不安が消えることではない。
でも、不安が見えるようになると世界は全く違うように見える。

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こういう図にすると言葉が操作できる。
そのことで見えていなかったコトが、イメージとして現れてくる。
今まで意識しなかったことが「そうだったのか」と合点する。

生き延びるためのラカン:第17回ボロメオの輪の結び方斎藤環
このシリーズは01から19まである。
このURLの数字を01 02というように置き換えれば読むことができる。
最後19は何もなし。
01 なぜ「ラカン」なのか?
02 あなたの欲望は誰のもの?
03 「それが欲しい理由」が言える?
04 「こころ」はどれほど自由か?
05 「シニフィアン」になじもう
06 象徴界とエディプス
07 去勢とコンプレックス
08 愛と自己イメージをもたらす「鏡」
09 愛と憎しみの想像界
10 対象aをつかまえろ!
11 すべての男はヘンタイである
12 欲望はヴェールの彼方に
13 ヒステリーは何を問うか
14 女性は存在しない
15 「精神病」とはどんな事態か
17 ボロメオの輪の結び方
18 転移の問題
19 転移・投影・同一化