高僧和讃より

お寺の屋根の雪はほとんど落ちた。
昨夜道路に落ちた鐘撞堂の雪も今朝早く運んでくださった。
子どもたちの通学に間に合ってほっとしている。

今日の和讃は高僧和讃曇鸞讃。

弥陀みだこうじょうじゅして

*往相おうそう還相げんそうふたつなり

これらのこうによりてこそ

しんぎょうともにえしむなれ

阿弥陀仏による回向が成就して、 浄土に往生して成仏するという往相と迷いの世界に還って人々を救うという還相とが、 わたしたちの上にあらわれる。 これらの回向によってこそ、 信心と念仏をともに得させていただくのである。

 

往相おうそうこうととくことは

弥陀みだ*方便ほうべん*ときいたり

がん*しんぎょうえしむれば

しょうすなはちはんなり

往相の回向として説かれているのは、 阿弥陀仏の巧みな手だてが時機を得て、 本願の信心と念仏を与えられ、 迷いとさとりを等しく見るという仏のさとりを開かせていただくということである。

還相げんそうこうととくことは

利他りたきょうをえしめ

すなはち*しょ*にゅうして

**げんとくしゅするなり

還相の回向として説かれているのは、 わたしたちに思いのままに人々を教え導くというさとりを与えられ、 ただちに迷いの世界に戻って、 大いなる慈しみの心からあらゆるものを救わせていただくということである。

 

*論主ろんじゅ*一心いっしんととけるをば

曇鸞どんらんだいのみことには

煩悩ぼんのうじょうじゅのわれらが

りきしんとのべたまふ

天親菩薩が浄土論に説かれた一心を、 曇鸞大師は、 煩悩にまみれたわたしたちがいただく他力の信であるといわれている。

「一心=他力」この部分まで読むと涙が出てくる。

親父が「浄土へ行ったら謝りたい」と言っていた。
私も謝りたいことばかりである。
そういうどうにもできない悔いをすべて一つの海の味にしてくれるのが浄土であると