シュミレーション算額

ジオジェブラをやっていて、これで算額をつくったらどうなるのだろうと思いついた。
 
数十年前に、子どもの発見した定理(図形の性質)を実際の算額にしてみた。
でも、それだと実際に見に来た人だけにしかわからない。
 
そこで、サイトに載せることにした。
サイト(HP)は現代の算額だと思った。
 
次に、JAVAのアプレットでシュミレーションできるように考えた。
これはアプレットを作るのにとても苦労した。
ソフトのプログラムをするのである。
だから、誰もができるわけではない。
 
次にいろいろな作図ソフトを使ってみた。
簡単にできるので、誰もがつくれそうである。
それは良いのであるが、そのソフトをインストールした人しか見ることができない。
 
そのうちにユーチューブで簡単に動画をアップして見ることができるようになった。
と思っていたら、ジオジェブラ・チューブというものがあることに気がついた。
これだと、作った作図を簡単に公開できる。
 
というわけで、一つの作品=算額として、ジオジェブラ・チューブに公開することにした。
やっていたら、あっという間にワークシートが100を越えた。
そのうちに、算額を紹介しようと思うようになった。
 
私は、和算の素晴らしさはここにあると思っている。
 
「世界的な業績をあげた有名な和算家もいますが、 注目すべきはこの様な少年や女性もが取り組んでいて、平等に算額に名を書き連ねているところです。 もちろん、算額には書かれてはいないけれど、算学に取り組んだ無数の人々が日本中にいたのです。

 『和算が世界に誇るべきものだとしたら、それは市井の人々が算学を支えたことにある。』
 『庶民から大名まで、天才からはほど遠い多くの無名の人々が算学を愛した。』

 このことが、世界の中で特別な数学を生み出したといえるもとだったのです。 そして、それこそが最も大切なことなのではないでしょうか。 改めて強調しますが、それは明治維新と(  )でこの列島から滅ぼされてしまったのだと思えてしまいます。」
 
というわけで、誰でもが触れることができ、シュミレーションできる算額を作ろうと決意した。
特に安島直円の業績を紹介することにした。
参考文献は、平山諦著「和算史上の人々」 岩田至康著「幾何学大辞典」 米山忠興著「和算の解法」
和算の問題や算額の中から動的なものを選んで、ワークシートにしていった。
読んだだけではわからない算額を、図を作ることで再度復元しようと考えたわけだ。
 
ところが結果はすでにわかっているのに、図にすることがなかなかできない。
一つのシートを作るのに三日も四日もかかってしまった。
でも、できた時の感動は、発見の感動と同じものだった。
 
というわけで、ここ二週間の苦心の作品。
 
170、シュミレーション算額 ・・・和算を体験してみよう  ジオジェブラ・ブック(2015.7)