「物語」について

物語について考えている。
仏法は昔から「物語」を使って説明してきた。
そして、その物語は真如に迫るための譬えであった。
 
おとぎ話が語られていた時は、
物語がこれだけ溢れる世界になるとは思っていなかったに違いない。
 
一人一人に物語がある。
その物語を想像する。
私が感じてきた一人一人の物語は、悲しい物語が多かった。
 
今、その物語を聞く力が無くなってきているのでないのだろうか。
悲しさではなく、単純さやわかりやすさが求められたり、
一方的に自分の物語を押し付けるような世界になってきているような気がする。
 
物語はもともと人を助けるものだった。
少なくとも人を傷つけるものではなかった。
 
 
エーリッヒ・フロムは、かって資本主義社会では愛は商品化されると言った
商品化というのは交換できるということであり、お金に取り換えることができる。
 
死も商品化される。
宗教も商品化される。
障がいも商品化される
物語も商品化される。
生活も商品化される。