色も形も無い法性法身だからだが、そもそも見えたらはたらきが無くなる。
そうはいっても、凡夫にもわかるように姿を現したもうたのが方便法身。
いつもそういって仏壇の燈明をつけてくださったおじいさんの7回忌も過ぎている。
阿弥陀堂は行道ができるようになっている。
やっと会うことができた。
正面から見ると意外に小さい。
確かに横を向いておられる。
横に回ってみた。
近づくとこちらを見つめておられる。
「永観(ようかん)おそし」
振り返りながらそう言われたという。
こう見つめられると正面からよりも近親感がわく。
それは、肩ごしだからだろう。
「おそし」
そう言えば遅かったなあ。
出会いまで、
弥陀の本願に出会うまで、
念仏をいただくまで、