休息あることなかりけり

阿弥陀仏偈和讃     愚禿親鸞
 
 観音・勢至もろともに 
  慈光世界を照曜し
  有縁を度してしばらくも
  休息(くそく)あることなかりけり
 
 安楽浄土にいたるひと
  五濁悪世にかえりては
  釈迦牟尼仏のごとくにて
  利益衆生はきわもなし
 
観音菩薩勢至菩薩とともに、慈光の光明を以て世界を照らし、
有縁の衆生を済度して、少しも休息することはない。
 
新たに浄土往生をする人はこの濁悪の世に還り来たって、
釈尊のように衆生を利益すること限りもない。
 
葬儀の最後に、このお話をします。
亡くなった方はすぐさま浄土に往生される。
しかし、少しの休息もなく、還相の菩薩となられて
私たちを導いて下さると。