ニコラス・クザーヌス

中日新聞に連載されている葉室麟さんの「影ぞ恋しき」を読んでいたら

クザーヌスの話が出てきた。
 
こんなところで、クザーヌスに出会うとは思っていなかった。
彼を知ったのは、山本義隆氏の本との出会いがきっかけだった。
クザーヌスは数学と物理学にも大きな影響を与えた人だ。
彼の無限についての深い思想は、
神学だけでなく数学や政治にも大きな影響を及ぼした。
この蝋燭の譬えは、私がいつも使っているもの。
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常朝とは山本常朝で、葉隠を書いた人。
「武士道とは死ぬことと見つけたり」は、葉室さんによると
死を見つめながら、あくまでも生き抜くこと。
 
シドッチに話を聞いて、新井白石が「西洋紀聞」を書いた。
この間、シドッチの遺骨が出てきて、顔が復元されたと書いてあった。
 
たったこれだけのエピソードからでも、
クザースヌがイスラムの和解に向けてどのように努力したのかがわかる。
 
そして、「愚の大地」に立つことはこのように大きなことなのだと思う。
親鸞さんにとって、その愚の自覚も仏の光によってもたらされたものだった。
 
 
色も香も昔の濃さに匂へども
         植ゑけむ人の影ぞ恋しき   貫之