中日新聞に連載されている葉室麟さんの「影ぞ恋しき」を読んでいたら
クザーヌスの話が出てきた。
こんなところで、クザーヌスに出会うとは思っていなかった。
彼を知ったのは、山本義隆氏の本との出会いがきっかけだった。
72、 『ニコラス・クザーヌス 比はなぜ大事か 比では神を認識できない ケプラーからニュートンへ』 (2005.11)
クザーヌスは数学と物理学にも大きな影響を与えた人だ。
彼の無限についての深い思想は、
神学だけでなく数学や政治にも大きな影響を及ぼした。
この蝋燭の譬えは、私がいつも使っているもの。
常朝とは山本常朝で、葉隠を書いた人。
「武士道とは死ぬことと見つけたり」は、葉室さんによると
死を見つめながら、あくまでも生き抜くこと。
シドッチに話を聞いて、新井白石が「西洋紀聞」を書いた。
この間、シドッチの遺骨が出てきて、顔が復元されたと書いてあった。
たったこれだけのエピソードからでも、
クザースヌがイスラムとの和解に向けてどのように努力したのかがわかる。
そして、「愚の大地」に立つことはこのように大きなことなのだと思う。
親鸞さんにとって、その愚の自覚も仏の光によってもたらされたものだった。
色も香も昔の濃さに匂へども
植ゑけむ人の影ぞ恋しき 貫之
植ゑけむ人の影ぞ恋しき 貫之