中日新聞を見ていたら、一面のトップに「湾曲炭素ナノ分子」という見出しで、炭素ナノ分子(フラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェンに次ぐ)の第四の炭素ナノ分子をの合成に成功したと出ていた。
これはいずれは合成されるだろうと思っていたので興奮している。
記事を見ると、
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名大、湾曲した炭素ナノ分子の合成に成功-光吸収し緑色に発光
【名古屋】名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所の伊丹健一郎教授らは、湾曲した“うねり構造”の炭素ナノ分子「ワープド・ナノグラフェン」の合成に世界で初めて成功した。球状のフラーレン、筒状のカーボンナノチューブ、シート状のグラフェンに次ぐ新形状の発見で“第4のナノカーボン”と位置づけられる。光を吸収し緑色の蛍光を放つなど、既存のナノカーボンにない特徴を持ち、太陽光発電や電子デバイスなどへの応用が期待される。
電子デバイスなどへ応用が期待される
「ワープド・ナノグラフェン」(イメージ)
ワープド・ナノグラフェンは炭素原子の七角形構造と五角形構造が集積配置する。カーボンナノチューブやグラフェンが六角形構造なのに対し、平面構造になりえない七角形構造を含むため、独特のうねり構造となった。分子間に微小な空間が多数できるため、有機溶媒に溶けやすく、電子デバイスへの応用に優位となる。
溶液に紫外光を照射すると緑色に発光することから細胞の観察などバイオイメージングへの応用も可能。
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この形については、負の曲率を持つ七角形と六角形のカゴメ編みについて考察したことがある。
その中の曲面ができたことになるが、理論的にはトーラスも合成できる可能性がある。
分子単位でこれを合成するのはとても大変なことだと想像できるが、新しい分子がどのような性質を持っているのか楽しみである。