十日ほど毎日図形を眺めていた。
これをやっていると他のことが手につかない。
他のことを集中して考えられないのだ。
答がいつか向こうからやってくるだろうと思っていても、
それが何時なのかわからない。
そもそも、もう4年間も考え続けている。
もしかしたら一期の間やってこないのかもしれない。
ところが、今日義兄と碁をやった後考えていたら、向こうの方からやってきてくれた。
これで3回目の証明なのだけど、前の証明は複雑すぎて気に入らなかった。
そこで、より簡単で本質的な証明があるはずだと思って四苦八苦していた。
今までは図の中にいろいろ書きこんでいたけど本質はきっと単純なはずだと思って、
元の図形に戻って考えていたら、浮かんできたのだ。
この証明が簡単でしかも本質的だと思っている。
これでようやくこの問題から離れることができる。
これは補題1
もう一つ補題があって、この二つを元に最初の図を使って簡単に証明できる。
極線の極線の証明 その3 - Worksheet (geogebra.org)
ポイントは四角形で考えることと、三角形の中だけでなく大きく考えることだった。
そして、四角形の対角線がこの問題の本質。
対角線と極線が深く関係していた。
いつものようにこんな簡単なことになぜ気がつかなかったんだろうと思う。
全て自分の経験の中に真理があったのだ。
それをようやく本当に思い出したのだ。
池田晶子さんは「自分が真理だと分かれば苦しむことができる」と語っている。
全然わけがわからなくわからなくなりましたって言うなら、
君、大成功だよ。
わからなくなったからこそ、これから考えられるんだ。
悩まないで、考えてゆけるんだ。
・・・
なぜなら「考える」とは、まさにその自分の人生、その謎を考えることに他ならないからだ。考えるということは、答えを求めるということじゃないんだ。
考えるということは、答えがないということを知って、人が問いそのものと化すということなんだ。どうしてそうなると君は思う。
謎が存在するからだ。
謎が謎として存在するから、人は考える、考え続けることになるんだ。池田晶子「14歳からの哲学」より