楕円の面積の求め方

真宗教証興片州 選択本願弘悪世」
 
正信偈源空讃のなかに片州という言葉が出てくる。
片州とは辺州であり、日本のことである。
 
「真の教えの教証を片州に興し、選択の本願を悪世に弘む」
 
片州とは辺境=片田舎である。
中心でないところだから、かえって切実に真実を求める心が興ったのである。
 
「辺境に生活する田舎の人々だからこそ、本当の宗教に触れる機会を逃すわけにはいかなかったし、
新たな知見を積極的に取り入れていかなければならなかった。」
 
インドから中国へ、そして辺境の日本へと伝わってきた仏教は、
ある意味、日本で真実の教えとして花開いた。
京ではなく関東の田舎でこそ、真実の教えを求める人々が生まれた。
世界の中心ではなく、片州に住んでいるという自覚は決して忘れてはならないことだろう。
 
 
和算の問題に取り組んでいると、楕円や回転楕円体が出てくる。
和算家たちは、楕円の面積をどうやって出したのだろうかと気になった。
 
正方形の中に接する円を入れる。
その縦だけを一定の割合でつぶすと楕円ができる。
円の面積はπr^2だから、楕円の面積をχとすると、
その比は、正方形とつぶれた長方形の面積と比例する。
長方形の縦の長さをaとすると、
πr^2:χ=r^2:r・a=r:a
χ=πr^2・a/r=πr・a
となって簡単に求まる。
体積も同様である。
 
和算家の直観力はこういうものだったのだろう。
辺州でも数学を進めることができたのである。