孫の涙

孫のY君は小2。
元気よく動き回っている。
 
いつもと違う所は、時々一人でおじいちゃんの棺へ寄って、おじいちゃんの顔を覗き込んでいる。
でも、それ以外の時は、よく動き回り、よく笑い、よく遊んでいる。
Y君にオリガミ六角形を渡したら、とても興味を示してくれて、
裏返しのし方を覚えて、何度も繰り返していた。
 
亡くなったおじいちゃんは、70過ぎてからできた初孫だからY君が可愛くてしかたがなかった。
父である息子は、甘やかしすぎて困ると言っていた。
 
葬儀が終わり、棺に花を入れた時、Y君がお父さんの足にしがみつき始めて泣いた。
それまで、ニコニコしていたY君だった。
小2だからおじいちゃんの死がまだわからないのだなぁと妻と話していた。
 
その泣いている姿を見た時、私自身の死と孫のことが浮かんできた。
可愛がっていた孫に涙で見送られることは幸せなことだ。
そして、先にお浄土へ往き、後から来るのを待っていることができることの幸せは、無上のものかもしれない。