テバット彗星について(その3)

少し時間ができたので、テバット彗星について作図をしてみた。
  
  「5月25日頃よりほうき星出る。同日26日夜、慥かに拝見仕り候。
   当家の前のひのにわ(ひのきば)のはしにて見るに、家の裏栃の木の高さにて夜暮れ六つ過ぎに
   北方より南の方へ箒の先中天より過ぎる位のけしきなり。
   七耀の星(惑星)のごとく周り、夜の4つ時過ぎには家の山端へ入り申候。
   一夜一夜に4、5尺位づつ南の方へより、箒も少なくなり、7月10日頃に
   一切相知れ申さず候なり。」

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もとにもどすと、
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回転の方向がポラリス中心ではないが・・・。
旧暦の5月から6月7月となるにしたがって、太陽から遠ざかっていることもわかる。

ちなみに明建神社は妙見様=北辰=北極星を祭る神社である。
北斗七星は北辰を指し示す。



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この図は7月1日1時頃の星座で、中央右上はカシオペア座。右はアンドロメダ座
下に光る星はカペラ(もしかしたらペルセウス座ミルファクかも、または金星などの惑星かも)。
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テバット彗星の移動も考察してみた。
たまたま東西が逆ではないかと思ったことから、いろいろな疑問が出てきて、
ついには文久2年のテバット彗星の軌道まで探ることができた。
この追求は楽しかった。

ただあと一つ、疑問が出てきた。
星七八寸廻り、尾引事南ニ渡り程有、横三尺計。」
この場合の7、8寸や3尺とはどういう基準があるのだろうか?
きっといつかわかるだろう。