郡上組総代会の研修旅行(三寺参り)

飛騨古川の三寺参りというと、「あゝ野麦峠」を思い出す。
着飾った糸引きの女工たちが雪の中お寺に参るシーンが浮かんでくる。

それは1月15日で親鸞聖人の命日の前夜。
幼い頃に騒いでいると、「今夜は親鸞さまが苦しんでいなさるから静かにせにゃだしかん」と言われたと、語られたのは説明してくださった円光寺の前住職
その夜は3つの寺で法座が立つ。その灯りをろうそくで補うためには大きなろうそくが必要で、値段は17万円もする。

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女工さんたちは、一家を支えるための現金収入の道として、信州で糸引きの仕事に励んだ。100円工女と言われるように、当時としてはかなりの現金を得て正月を迎える。一家を支えるという誇りに満ちて3寺参りをしたのだろう。
飛騨市美術館でおばあさんが糸引きに行っていたという方の話を聞いた。
おばあさんは結婚をしても糸引きに進んで行ったという。
映画ではドラマにするために貧しさや悲惨さを誇張しているけど、糸引きの仕事に誇りを持っていたと語られた。

ふと通信が目に入る。岡谷へ行った女工たちへ宛てた小学校の職員や青年会から故郷の便りを定期的に出している。大正8年と書いてある。当時の小学校の校長先生や職員が卒業した生徒にあてて出しているのだ。すごい。

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往きと帰りに車中で法話をした。
東林寺様と二人で2回ずつ。
昼食の時、二人でビールを飲みながらいろいろな話をした。
総代会会長からこんな問題が出た。
浄土真宗の僧侶は何をやるのが仕事なんですか?」
これに対する東林寺様の応えがとても面白かった。
僧侶の仕事は寺で遊ぶこと!

新たな出会いにまさに歓喜の旅行だった。