お迎え現象

今、TVを見ている。
お迎え現象」とおだやかな「看取り文化」について
 
以前、幽体離脱臨死体験を調べたことがある。
そういう現象があることは間違いないと思う。
 
今やっているのは、お迎え現象。
500人の方の遺族にアンケートをとったところ、
4割の人にお迎え現象があったという。
しかも、その人たちのほとんどが穏やかな死を迎えたと言う。
 
お迎え現象とは、死を迎えた人が
両親や友人、ペットなど、また古里の山などを見る現象。
 
これらは人間に備わった、自己防衛本能のようなもの。
ただ、病院では起こりにくく、安心できる場でないとダメなようである。
在宅医療をしている医師にとっては珍しいものではないと言う。
「今そこに来ていたのに、先生が来たらどこかへ行ってしまった。」
としかられることもあるという。
 
講師の先生が、
なぜそういう現象がおきるのか、どうして穏やかになるのかという質問に、
「私たちは、記憶や経験から世界を再構成しているから、当然起きても不思議ではない。
子どもの頃、怪我をしたとき、おなかが痛かったとき、
お母さんにさすってもらったら痛みがなくなったという経験と同じようなものですよ。」
と答えられた。
 
おばあさんを看取ったお孫さんが、
お母さんがおばあさんの顔に化粧をしているを見ながら涙ぐんでいた。
その女の子に、おばあさんに伝えたい言葉は?と聞くと、
「ありがとう」
おばあさんはどこへいったの?
「まだ、心の中にいるから・・・」
と答えていた。
 
死を遠ざけることによって、かえって死を恐れ、死を忌み嫌うようになったが、
老いと死の場面を、子どもたちに見せることも大事なことだ。
子どもたちの笑い声が聞こえる家で、
「私は家に戻ってきた。今日は死ぬのに最高の日だ。」
 
講師の先生が静かに語る話はとても印象的だった。