まことあることなきに

世情の変化を見ると、いつもこの言葉を思い出してしまう。

聖人の仰せには、
「善悪のふたつ、総じてもつて存知せざるなり。
そのゆゑは、如来の御こころに善しとおぼしめすほどにしりとほしたらばこそ、
善きをしりたるにてもあらめ、
如来の悪しとおぼしめすほどにしりとほしたらばこそ、
悪しさをしりたるにてもあらめど、
煩悩具足の凡夫、火宅無常の世界は、
よろづのこと、みなもつてそらごとたはごと、まことあることなきに、
ただ念仏のみぞまことにておはします」
とこそ仰せは候ひしか。

どこに重点を置くのかは人によって異なるだろうが、
まことがないとつくづく感じてしまう。
さらに今までの活動は何だったんだろうと思ってしまう。

と言って無力感にとらわれて何もしないのは、思うつぼである。
これは自分自身のことなのである。