自動詞と他動詞

A、 「火を消しました。」と「火が消えました。」の違いはなんだろうか?
 
B、 英語でこんな例があった。
(1)  I crashed the car.
(2) The car crashed.
 
(1)は目的語があり、主体の行為の影響がその目的語に及ぶ。
(2)には目的語が無いので、自然とそうなったかのように思える。
でも、よく考えると車が自然に壊れるようなことはことはないので、「車が自分で壊れたの?」と
突っ込みを入れたくなる。
 
今度は、AとBを比べてみる。
Aには主語が無いから、火を消したのが消防士なのか私なのかわからない。
「火が消えました。」はたぶん日本語も英語も同じだろう。
 
仏教の縁起の思想から言えば自動詞といえども、自己完結しているわけではなく、
他に影響を及ぼしていないわけではない。
そして、日本語の主語が曖昧という特質には、両面がある。
 
津波が起きた」
というとき、そこにはあきらめの気持ちが含まれる。
「自然が津波を起こした」というニュアンスが含まれる。
自然だから私たちにはどうにもできないという気持ちが。
 
だから、
「戦争が起きた」
というときも同じように考えてしまう。
日本の戦争も同じで、庶民は津波と同じだが、当事者でさえ起きてしまったと思っていたようだ。
が、これは津波と同様に主語を考えないといけない。
戦争を起こすものを。