還来生死輪転家 決以疑情為所止

ドクダミの花が咲いている。
白い花が散らばっている。
その花を見ながら、法友と数時間語り合った。
 
苦しみと不安の娑婆世界はのがれがたい。
不安は自分の身体が確実に悪くなっていることから来る。
でも、私たちは浄土の教えは還相の教えを以て、生きるよすがとする。
 
 還来生死輪転家 決以疑情為所止
 速入寂静無為楽 必以信心為能入
 
法の話をしている時は、浄土にいるようなものである。
喜びがあふれてくる。
しかし、迷いの家に帰った時、私たちはどうすればいいのだろう。
法友は「仏の願い」に対する疑いを持たないことだという。
仏の願いこそが真実なのだという。
 
法然上人は
 
 当知生死之家以疑為所止 涅槃之域以信為能入
 
と言われた。
所止は所以止であろう。
とどまる理由である。
生死の家に止まると、涅槃の領域に入ることが対比されている。
 
もう一つ読み方がある。
疑いを止めるという生活である。
所は私たち、能は仏のこと。
私たちにできることは疑いを止めること。
法友は娑婆世界で生きるには、それしかないという。
それは字句の解釈を超えた、体験から来ている。
 
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